東京レター
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【社会】「国民の命もてあそぶな」 集団的自衛権 学者ら抗議
集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定を受け、反対する学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」は四日、東京都内で記者会見し「正規の手続きを経ないで九条を無効化する欺瞞(ぎまん)に満ちた解釈。集団的自衛権の行使容認は、安全保障に寄与しない」と内閣を批判する抗議声明を出した。 会見は学者六人が出席。安倍首相が「再び戦争をする国になることはあり得ない」と強調したことに批判が集中した。 慶応大の小林節名誉教授(憲法)は「集団的自衛権は同盟国を守るために海外派兵する権利以外の何物でもない。公然とうそをついている。安倍氏が首相であることに恐怖を覚えた」などと述べた。 国際基督教大の千葉真教授(政治学)は「この六十年余、最大の抑止力は平和憲法だったとも言える」と分析。中国や北朝鮮を仮想敵国として、軍事力に依存する手法を「時代遅れ」と指摘し「東アジアの緊張を高め、不信感と敵対心をあおるだけ」と訴えた。 小森陽一東大教授(日本文学)は「閣議決定は国民を欺瞞する言葉の羅列だった。自衛隊員が海外で殺し殺される方向へと為政者たちが仕向けていく。国民の命をもてあそぶ専制政治だ」と指摘した。 同会は四月に発足し、法学や政治学、社会学など多分野の学者六十人以上が呼び掛け人になった。今後、集団的自衛権の行使容認をめぐる国会審議や日米ガイドライン協議を通じて問題点を指摘するほか、講演会などの公開行事で市民向けに論点を提示していくとしている。 PR情報
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