「中韓首脳が一致して日本への憂慮表明」7月4日 20時06分
韓国政府高官は中国の習近平国家主席と韓国のパク・クネ大統領が日本の歴史認識や集団的自衛権の憲法解釈の変更などについて一致して憂慮を表明したことを明らかにしました。
韓国大統領府のチュ・チョルギ外交安保首席秘書官は3日の首脳会談や4日の昼食会などでの習近平国家主席と韓国のパク・クネ大統領のやり取りを明らかにし、両首脳が「日本の歴史修正主義や自衛権の拡大について憂慮することで一致した」と述べました。
そのうえで、日本政府が集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をしたことについて、「日本国民の支持も十分に得られない政策ではなく平和憲法に従って安全保障政策を透明に推進すべきだと一致した」としています。
また、日本政府がいわゆる従軍慰安婦の問題を巡る河野官房長官談話の検討結果を公表したことについて、両首脳は「談話を継承すると言いながらこれを傷つけ、損ねようとする試みに見える」として批判したということです。
一方、日本政府が北朝鮮に対し独自に行っている制裁措置の一部を解除したことについては「制裁の解除について扱いを誤れば、北朝鮮の核問題についての国際社会の連携を壊す心配があると確認した」として日本を強くけん制しました。
両首脳は3日の共同会見や共同声明では日本の歴史認識についてほとんど言及しなかったことから、韓国メディアからは批判的の声が上がるとともに、日米韓の結束を重視するアメリカに配慮する韓国と対日共闘をアピールしたい中国との温度差があると指摘されていました。
このため、韓国政府は4日になって中国や国内世論への配慮から、日本への憂慮を共有したと明らかにしたのではないかとの見方が出ています。
今回の習主席の韓国訪問は、韓国政府がアメリカと中国、そして国内世論との間で、難しい立場にあることを改めて浮き彫りにした形となりました。
「多大な成果があった」
中国の習近平国家主席の韓国訪問について、中国外務省の洪磊報道官は、4日の記者会見で「多大な成果があった。両国の戦略的パートナーシップを新たなレベルに引き上げることになると信じている」と評価しました。
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