集団的自衛権:米有力紙評価が割れる「必要」「不安増加」
毎日新聞 2014年07月04日 12時09分(最終更新 07月04日 15時25分)
【ワシントン西田進一郎】安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことに対し、米国の有力紙の評価が大きく割れている。米紙ニューヨーク・タイムズは3日付の社説で「日本の多くの人々を困惑させ、アジアの人々の不安を増加させた」と批判。さらに、「安倍(晋三)氏のナショナリスティックな政策」は、地域の国々が憲法の解釈変更を受け入れることをより困難にしていると主張した。
社説は日本の世論調査で半数が反対していることなどを紹介。そのうえで日本国民が首相に対し、関連法案の国会審議を通して「日本を戦争を行う国に変えるものではない」と証明するよう求めるのは正当だと主張した。
一方、ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は1日の社説で「安倍首相はタカ派でこの動きを強く推進したが、他方で日本を取り巻く安全保障環境の変化がそれを必要で不可避なものにした」と分析。中国の急速な軍事力向上や沖縄県・尖閣諸島の現状変更を試みようと中国が力を行使していることなどを指摘。そのうえで、解釈変更を「日米同盟協力において日本がより対等な役割を果たすことになる」と歓迎した。