今直也
2014年7月4日21時15分
英科学誌ネイチャーのニュースサイトは、STAP細胞論文が撤回に至った経緯の検証記事を掲載した。過去の論文不正の教訓が生かされず、不十分な審査で論文を掲載してしまったと指摘している。
記事は、論文掲載を決めた編集部とは別の、独立した立場の記者が取材して執筆した。同誌は2005年に発覚したソウル大教授の論文捏造(ねつぞう)を機に「インパクトが大きい内容の論文は、より厳密にチェックする」との方針を決めたが、同誌の編集長は「私たちも査読者も論文の致命傷となる問題を見抜けなかった」と述べた。「内容の精査より出版を急いだ」「論文の共著者の名声をもとに掲載を決めた」と指摘する科学者の声もとりあげている。
編集部は、表現の盗用を調べる専用ソフトで掲載前にSTAP論文をチェックしたが、引用元とされる論文が当時ソフトのデータベースになかったため、出典を示さず引用した部分を発見できなかった。画像はチェック対象から外れていた。今後は画像チェックの対象数を増やすという。(今直也)
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