【日本ハム】大谷「全力で」日本最速162キロ超!史上2人目の球宴二刀流選出
オールスターの監督推薦選手が3日に発表され、ファン投票と選手間投票による選出メンバーを合わせたセ、パ両リーグ28選手ずつの全陣容が出そろった。日本ハムの大谷は昨年の外野手に続き、投手として選出された。投手と野手の両方で選ばれるのは関根(近鉄)以来、2人目。巨人勢では山口、坂本が監督推薦で選ばれ、ファン投票、選手間投票を含め計5選手が出場することになった。
スターが集う宴(うたげ)で、何を求められているか。4戦連続で160キロをたたき出すなど、いまや球界NO1の剛速球投手に登り詰めた大谷には、それが分かっていた。周囲の注目は、クルーン(元巨人)が持つ日本記録162キロ超え。「(球速が)出るか出ないかは、その時の調子次第」と前置きしながらも、「全力でいきます。自分の持ち味は直球だと思うので頑張りたい」と意欲を見せた。
舞台は整っている。球宴での登板は、長くても3イニング。シーズン中とは違い、先を考えずに初球からフルパワーで投球できる状況だ。さらに、これまでに160キロを投げ込んだ相手は、巨人・アンダーソン、阪神・ゴメス、DeNA・バルディリスなど、各チームの主軸打者。手ごわい相手になればなるほど力を発揮してきた。球宴は、潜在能力を引き出す絶好の場だ。
対戦したい相手には巨人・阿部を挙げた。「阿部さんには打たれている印象が強い。ぜひやってみたい」。6月11日の巨人戦(札幌D)では3打数2安打。159キロ、157キロと、ともに剛速球を打ち返された。巨人・坂本から対戦したい投手に指名されたことを聞くと、「数多く対戦したわけではないですが、いい打者だし、真っすぐに強い」と警戒した。
ここまで7勝1敗と大きく勝ち越している。外野手としてファン投票で選ばれた昨季は話題性が先行した感もあったが、今季は文句なしの選出だ。昨年の大谷や、1996年にオリックス時代のイチロー(ヤンキース)が外野手で選出されながら投手として登板したこともあるが、投手と野手の両方で選出されるのは50年代に関根(近鉄)が経験して以来となる。
今回は野手での出番はなく、第2戦(甲子園)での登板が有力視される。19歳の剛腕は「今年は違う形で出られるので、いろいろと勉強できればと思います」。スコアボードのスピードガンは、果たして何キロを表示するのか。新たな伝説が、増える予感がする。(尾形 圭亮)
◆F大谷の昨季球宴 第1戦(札幌D)の5回から登板。プロ自己最速タイ(当時)の157キロをマークして1回無失点に抑え、直後の6回からは守備に就き、2打数無安打ながら打席にも立った。第2戦(神宮)は「1番・右翼」でスタメンし、4打数1安打。第3戦(いわき)は代打で1打数1安打1打点をマークした。