沢村「やっと」6日初先発!4日から1軍合流
右肩の違和感から復帰を目指す巨人・沢村拓一投手(26)が、4日から今季初めて1軍に合流する。3日はG球場で約4時間の練習を行った。「(2軍調整中は)きょう、その日のことだけを考えてやってきた。先のことは考えずにやりたい」。明日なき思いで、初先発となる6日の中日戦(東京D)で結果を出し、先発ローテーションに生き残るつもりだ。
復活を予感させる力強いキャッチボールだった。沢村は約20分、黙々と右腕を振った。低い球筋でテンポ良く、約80メートル先の宮国のグラブへ投げ込んだ。練習後、1軍の舞台を待ちきれないように言った。
「やっと、1軍の土俵に立てる。ここまで2軍の岡崎監督やコーチ、トレーナー、スタッフの方。年下の選手が多かったですけど、たくさん声をかけてもらった。感謝の気持ちを持っていきたいです」
宮崎キャンプ中の2月3日、右肩に違和感を覚えた。2軍生活中は毎日、午前7時にG球場入り。全体練習の2時間前からストレッチを欠かさず、肩回りの細かなトレーニングを繰り返した。就寝時間は午後9時半。禁酒して規則正しい生活を続けた。常に自問自答を繰り返した。
「きょうはどうするか、だけを考えてきた。明日のことは、その日が終わってから(考えた)。きょう、明日で(症状が)良くなることはなかったですから一日一日…。その積み重ねです。達成感を出したかったわけでないが、(それが)自分にできること。野球に対して真摯(しんし)でないと(いけなかった)」
イースタンでは5試合登板で2勝、防御率3・13。直球も151キロをマークするなど球速も戻った。だが、1軍では新たな争いが待っている。原監督は後半戦から5、6人で先発ローテを回す意向だ。現状では交流戦で3勝を挙げた小山や3日の先発が雨で流れた今村がライバルだ。指揮官は、後半戦のローテを、球宴までに見定める方針だ。
原監督は沢村について「戦力になってもらわないと困る」「スターターとしては日本で一、二を争うスピードを持っている」などと語り、期待は大きい。だが、沢村は、6日の復帰戦に集中している。
「そこ(先発争い)は考えても仕方がない。自分が投げることだけを考えている。投げる日へ、しっかり調整するだけです。先のことは考えられないです」
今、自分がやるべきことは何か―。2軍調整中は、それだけを考えてきた。この日は外野フェンス沿いを黙々と走り込み、投内連係では大きな声で周囲を引っ張った。
「長く時間をかけたというか、かかってしまった。チームを離れた悔しさはありますし、取り返す気持ちは持っている。チームは首位。とにかく貢献するだけです。また明日です」
小さなステップを積み重ね、ようやくたどりついた1軍復帰。ここから完全復活への道を歩んでいく。(小谷 真弥)