ヘビメタ音楽のファン、ライブでヘッドバンギングして脳出血
2014年07月04日 20:41 発信地:パリ/フランス
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【7月4日 AFP】ヘビーメタル音楽のファンが、英バンドのモーターヘッド(Motorhead)のコンサートで激しく頭を上下に振る「ヘッドバンギング」をした1か月後、脳出血していたことが発覚した。ドイツの医師らが4日、英医学専門誌ランセット(Lancet)に発表した。
ヘッドバンギングはそれほど害のない動きみられることが多いが、50代の男性ファンは2013年1月のライブ後、徐々に悪化する頭痛に悩まされることになった。
治療に当たったハノーバー医科大学(Hanover Medical School)の神経外科医らは、男性の右脳に「慢性硬膜下血腫」と呼ばれる脳の外膜と脳の間にできる血腫を発見した。
■ヘッドバンギングのリスク
1970年代のヘビーメタルの全盛期に発明されたヘッドバンギングは、むち打ち症や頸椎損傷などとしばしば結び付けられてきた。
だがハノーバーの医師らはヘッドバンギングの危険性はより大きいと指摘する。
医師らは多数の科学論文を調べ、ヘッドバンギングによる硬膜下血腫の事例を他に3例発見した。うち1例は突然死の事例だった。
「硬膜下血腫の報告事例は少ない。だがこの疾患は、自然と治まる中度の頭痛を起こす程度だったり、症状を示さなかったりすることが多いので、症例は実際にはさらに多い可能性がある」と、アリヤン・ピラエシュ・イスラミアン(Ariyan Pirayesh Islamian)医師は指摘した。
■加速と減速で脳の毛細血管が破裂か
論文によると、この50代の男性ファンは他の点では健康で、頭部損傷の既往歴もなく、本人によれば薬物を乱用したこともなかったという。
男性の症例は、ヘッドバンギングで脳細胞に強い加速と減速を加えたために脳の毛細血管が破裂したことが原因と推測されている。
この男性ファンは「鍵穴手術」でたまった血液を排出する手術を受け、8日後に退院した。頭痛はなくなり、2か月後の検査で異常なしの判断を下された。(c)AFP