前回はインターネットにおけるイラストの歴史を書いていきましたが、今回はソーシャルゲームに関するお話を書いていきたいと思います。
ソーシャルゲームは、いまやテレビでも多くのCMがうたれ、アニメやゲーム系のポータルサイトを巡回すれば必ずと言っていいほど広告バナーが視界に入ってきます。
その多くのタイトルが旧来のゲーム会社ではなく、DeNAやGREE、ガンホーなど若いIT企業によって新規事業として立ち上げられています。そしてそれらは10年足らずで球団を買収する、海外に拠点を増やすなど怒濤の勢いで成長しているのです。
連載:ネットイラストを巡る冒険
Vol.1 pixivの誕生、奪われたものと奪い取ったものソーシャルゲームとは何か
Google Playのスクリーンショット
1. 基本プレイ無料
DLして遊ぶだけならお金はかかりません。ゲーム内にある追加要素でユーザーに課金させるシステムになっています。2. エンディングが存在しない=終わりがない
ソーシャルゲームはユーザーの課金やプレイ時間によって支えられています。よって、多くのゲームは「いかに長くプレイさせ続けるか」を重視して作られており、エンディングが存在しないものが多いのです。そしてそれらは様々な工夫で訴求してきます。例えば、毎日ログインするごとにもらえるログインボーナスや定期的に開催されるイベントなどがそれにあたります。
3. 単純なシステム
「基本プレイ無料」を入り口に訴求を行いますが、肝心のシステムが複雑ではユーザーは離れていきます。そこで、よりシンプルにわかりやすい方向に進化した結果、多くのソーシャルゲームが「カードゲーム」という体裁を採用しました。これについては後述します。
4. スマートフォン対応
多くのソーシャルゲームはスマートフォンで遊ばれています。運営側にとってはWebの広告と相性が良いから、ユーザーにとってはいつでも手軽に始められるから、という理由があります。それゆえに、学生はもちろん通勤中の社会人など、まとまった時間が取れない人たちにも親しまれています。
ユーザー心理を突く「ガチャ」問題
ゲームアプリの中でも常にランキング上位に位置する定番ゲーム「パズル&ドラゴンズ」のガチャ画面
中でも、指定されたお金を払うとランダムでアイテムを手に入れることができる「ガチャ」と呼ばれる課金システムが、非常に秀逸です。
これは欲しいものが手に入るまで課金し続けたいというユーザー心理を突き、多くの利益を生み出しました。ガチャによって毎月何万、何十万円も支払ってしまう未成年者を含む中毒者が続出し、社会問題にもなりました。
2012年には、消費者庁が一部のガチャ機能に対する注意喚起に乗り出し、話題となりました。特に問題となったのは、複数のアイテムを揃えることでレアアイテムを得られる「コンプリートガチャ」という仕様でした。これがいわゆる「コンプガチャ問題」です。
一時はソーシャルゲームが大批判の的となり、このままガチャ自体の規制の流れが強まれば、ソーシャルゲームは死滅するとまで言われました。しかし、業界全体の自主規制の努力もあって、それほど致命的な結果にはなりませんでした。
ランキング制
ガチャと同じように、課金への強力な訴求となるのがランキング制です。ユーザーに「あなたの現在の順位は○○位です!■■位まで到達したらこのアイテムを差し上げます!」とアピール。もちろん、順位が上がればさらに上位を目指すように煽ります。つまり、プレイヤー同士で競わせることによってより多くの課金を促すという手段です。課金訴求として非常に効果的なシステムですが、同時に多くのストレスをユーザーに与えます。たくさん課金したのに少し目を離したら順位が下がってた、なんてことはよくあります。
多くのソーシャルゲームは、やりこみや知識、テクニック以上に、課金度合いがものを言う設計思想を採用しています。
ソーシャルゲームの合理性
とにかく課金させようという凄まじい執念から、ソーシャルゲームはユーザーから批判されがちです。「こんなにお金を取ることが、はたして健全なのか?」
しかし別の視点から見ると、ソーシャルゲームはコンシューマーゲームと比べてお金を使うプロセスがわかりやすいとも言えます。基本プレイが無料なので、ユーザー側に、払うか払わないかの選択肢と明確な目的があります。かつてのスーファミのソフトのように「お金を出して買ったのにつまらなかった!」というトラブル(いわゆる売り逃げ)は回避されます。
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