外風呂(屋外プール)では、周囲の景色が目前に広がる

ハイジの村の隣に白亜の巨大温泉施設「タミーナ・テルメ」。180億円の改築で人気上昇中


短い夏を思う存分楽しもうとするスイスの人たちと一緒に、セレブ気分で温泉につかるのはどうだろうか?その温泉施設とは、今から140年以上前にヨーロッパ初の温泉施設を作ったことで名高いバード・ラガッツ村のタミーナ・テルメ(Tamina Therme)。

内風呂(屋内プール)の様子。太い柱と楕円形の大きな窓がアクセントになっている

内風呂(屋内プール)の様子。太い柱と楕円形の大きな窓がアクセントになっている

タミーナ・テルメは、「アルプスの少女ハイジ」の舞台として有名なスイスのマイエンフェルト村から、車でたった5分、電車とバスを乗り継いでも10分足らずだ。(注:本施設は水着を着用して入るスパです)

高さ20メートルを支える合計115本の柱の木造りの建物は、まるで山の中にある白亜の城のよう。楕円形の大きな窓がアクセントで、内側からは、その窓を通して周囲の山々や木々の風景が臨める。コンペを勝ち抜いたスイス生まれの建築家ヨセフ・スモレニキー(Joseph Smolenicky)が考案したデザインだ。

この白亜の城は以前の同施設をすべて改築することになり、2009年春に完成した。総工費およそ180億円もかけた大プロジェクトだった。写真でご覧の通りの美しい様式は、一般の人たちだけでなく、建築の専門家たちも魅了して、すでにいろいろな賞を受賞している。

モダンな白い建物は、まるで山の中にある白亜の城のよう

モダンな白い建物は、まるで山の中にある白亜の城のよう

筆者も疲れきったときなどにこのタミーナ・テルメへ足を運ぶが、この真っ白い空間と自然とのミックスの中で温泉につかると、本当に体も心も安らいでくる。

ここで使われている湯は体温と同じ程度の36.5度のミネラル水で、4キロメートル離れた峡谷から引いている。この峡谷が発見されたのは、はるか昔のローマ時代にまでさかのぼる。当初は、谷底までわざわざ綱で降りてでも湯治したいという人が訪れた。いま、同施設では治癒目的で医師からの許可をもらった場合は健康保険が下りるから、やはりミネラル水の効果は信頼がおけるはず。

風呂(プール)は36.5度のほか、32度、34度、17度の冷たい水と交互に入る39度がある。タミーナ・テルメでは、ストレス解消ルート、トレーニングルート、治癒ルートなど、サウナを含めたこれらの各種プールの入り方の順路を作ってくれている。筆者は大概はルートを気にせずに、34度のプールでのんびりと泳いだり36.5度のプールで噴き出されるバブルを心ゆくまで楽しんだりしている。

そして、もうひとつの楽しみは、温かい大きな薄い布で体をすっぽり包むこと。これは改築前から続く無料サービスで、スタッフにいつでも声をかけると1人1枚もらえる。これを体に巻いて休憩室に行って一眠りするのが、まさに至福のときだ。

同施設の訪問者数は、2013年、27万4000人を超えた。ここまで人気なのは、建築と温泉に加えて、サービスにも配慮しているからだ。実は同施設は、この村の超高級な5つ星ホテル群の一部で、顧客が満足する施設を目指して業務を改善し、新規アイデアを取り入れ続けている。たとえば、夜、湯につかりながら見るライブコンサートを定期的に催したり、つい最近はレストランに替わって新しいカフェがオープンしたばかり。

外風呂(屋外プール)では、周囲の景色が目前に広がる

外風呂(屋外プール)では、周囲の景色が目前に広がる

そんな努力の甲斐もあり、タミーナ・テルメは昨年、ヨーロッパのレジャープールおよび温泉施設が加盟する協会「ヨーロピアン・ウォーターパーク・アソーシエーション(European Waterpark Association)」のプロフェッショナル・アワードを受賞している。

今後のさらなる発展が期待できそうだ。

>> Tamina Therme ホームページ

■開館時間 月~日 朝8時から21、22、23時まで(閉館時間は曜日によって異なる)
■入場料(日本円換算は2014年6月末のレート)
大人:月~金の11時以前もしくは19:30以降はお得な19フラン(約2600円)
その他、2時間まで26フラン(約3600円)、4時間まで30フラン(約4200円)、1日券34フラン(約4700円)など。
週末は平日より高め。サウナも利用する場合は10フラン(約1400円)の追加料金が必要。
※ 子ども料金(3~16歳)はホームページ参照。

写真提供:すべてTamina Therme AG

サウナももちろん完備

サウナももちろん完備

マッサージのほかネイルなどのサービスも。マッサージは男性客にも人気

マッサージのほかネイルなどのサービスも。マッサージは男性客にも人気

 


Author: 岩澤 里美 スイス在住。「外国で生きるとは」を切り口に人・コトを取材。JALファーストクラス機内誌『Agora』などへの寄稿が好評。Global Press副理事。