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伊藤直也が語る「仕事の流儀」第1回──KAIZENでの開発体制をKAIZENする

2014.07.04 Category:ギーク・インタビュー Tag: ,

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はてなではCTOとして「はてなブックマーク」を開発、グリーではソーシャルメディア統括部長としてソーシャルゲームの成長を技術面から支えた伊藤直也氏。

2012年からはフリーとして活躍し、KAIZEN platform Inc.にも技術顧問として参画している。近況とともに、プログラマとしての仕事スタイルについて、いま切実に思うことを語っていただいた。
by 馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

スタートアップならではのプログラム開発の流儀

いま、KAIZEN platform Inc.というスタートアップにシニアテクノロジーアドバイザーとして参画しています。KAIZENはWebサイトのA/Bテストをクラウドソーシングで提供する「planBCD」が主力のサービス。クライアントもかなり増えてきています。

この会社に参画するきっかけになったのは、創業者の一人でCTOの石橋利真さんが、大学の先輩かつ同じバンドサークルの仲間というつながりがあったから。「今度会社を起こすから手伝ってほしい」と言われて、最初は断ったんだけど何度も僕のオフィスに来て「週1回でいいから来てほしい」と言うものだから。

KAIZEN platform Inc. CTOの石橋利真さんと

僕、基本的に他人のプロダクトには、なかなか興味が持てなくってですね。過去に自分自身が作ったサービスを運営していた経験があるから、どうしてもそちらに気がいってしまう。なので、正直、KAIZENのサービスにも当初は関心がなかった(笑)。それでも、「営業が頑張って受注が増えているんだけど、それに開発が追いつかない。助けてほしい」と。

まあ、まあ、昔お世話になった先輩にそこまで言われちゃうと困ってしまって。スタートアップならではの開発体制の課題はあるだろうし、そういうところになら僕も意見が言えるんじゃないかと。気づいたら顧問契約を結んでいました(笑)。去年の9月からですね。

最初は手を動かして実装することにはコミットしないと決めていたんです。アドバイスするだけ。ただ、週1回ぐらいのペースで会社の状況を見ていろいろ言っても、なかなか僕の思い描いているイメージにならなかったんですよね。

スタートアップには珍しく、KAIZENのエンジニアは、リクルートなどで実績を積んできた人が多く、全員が30代。鎌倉や大阪、京都で開発している人もいてリモートワークという意味では面白いことをやっているんだけれど、だからこそ、それに合った開発プロセスを導入すべきなのに、当初はそこがうまくいっていなかった。

というわけで、見てるだけじゃダメだなと思って、だんだん時間を増やして手を動かし始めたんです。週1の契約だったけど、今は空いてる時間のほとんどはKAIZENのオフィスにいますね。

テストが面倒だというのなら、それを自動化すればいい

KAIZENで僕がやっていることは、テストやデプロイの自動化などの技術の周辺整備とか開発プロセスの改善です。組織のボトルネックを排除するための仕事ですね。

ただ、マネジメントやエンジニアの採用ブランディングなどにも関わるようになって、ちょっと忙しい。これがうまく回り始めたら、このあたりは誰かマネージャーを探して来て引き継ぎたいとは思っているんですけれど。

KAIZENには結構大手企業のクライアントさんも多いのですが、KAIZENのサービスはその性格上障害を起こすと僕らのサービスだけじゃなくて、お客さんのサイト全体に影響を及ぼしてしまう。それにも関わらず、障害を起こしてしまったことがありました。

単にデプロイする前のテストを十分にしてなかったことが原因なんですが、こういうことがあってから、自分たちがやろうとしていることは何だったんだっけと、一度整理しながら考えるようにしました。

少人数で十分なテストをやるのは大変。だったらこれまで手でやっていたテストを自動化するようにすればいい。E2Eテストを書いてテストを自動化して、デプロイのタイミングでそのテストを回す。テストの実行自体も、変更をコミットしたら自動で実行されるようにする。

エンジニアが気を張らなくても、計算機が自動で問題を発見してくれるようにするんです。いっときはリリースするのが怖いと感じていたエンジニアたちもこれで安心した。それからは障害ゼロ。適当なタイミングでちゃんとリリースできるようになりました。

障害が少なくなれば、それを巻き取る作業も少なくなり、開発も楽になります。会議も減らすことができます。タスク管理ツールを入れているんですが、この前グラフを見たら、新たに入るタスクよりも、消化されるタスクのほうが多くて、エンジニアにずいぶん余力が出てきました。

こうしたプロダクトの品質向上や開発の効率化を、これで満足するんじゃなくて、これからは顧客満足度につなげていくための努力が必要です。そこまで行かないと、なんのための開発効率化かってことになっちゃいますからね。

⇒第2回「スタートアップ企業にリモートワークツールを推奨する理由」に続く

伊藤 直也氏
ニフティ、はてな取締役CTO、グリー統括部長を経てフリーランスとして活動。ブログやソーシャルブックマークなど10年間、ソーシャルメディアの開発と運営に携わる。
著書に『入門Chef Solo』(達人出版会)『サーバ/インフラを支える技術』『大規模サービス技術入門』 (技術評論社) など多数。2013年9月よりKAIZEN platfrom Inc. 技術顧問。
GitHub:@naoya Twitter:@naoya_ito

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(執筆:広重隆樹/撮影:刑部友康)

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馬場美由紀 (CodeIQ中の人)

エンジニアの勉強会やイベントレポート担当。技術やキャリアに関するエンジニア向けお役立ち情報もお伝えしていきます。面白い情報があったら教えてね!酔ったら記憶なくす記憶飛部所属。

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