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コリアうめーや!!

マナーを守って

韓国式焼酎の飲み方

2007年07月24日

 グラスに入っている焼酎を一息で飲み干すと、上あごの辺りに力を込め「クワァー!」っと大きく息を吐いて見せた。「芸人の先輩に焼酎はこう飲むんだ、って教わったんですよ」と語るのは、吉本興業所属のお笑いコンビ「チング」の2人。韓国で暮らした経験を持つ彼らだけに、韓国焼酎の飲み方も板についている。

写真大久保でじ
写真お笑いコンビ「チング」の2人
写真目上の人に注ぐときは必ず両手で
写真目上の人の前では口元を隠して
写真さまざまな焼酎
写真焼酎にぴったり「サムギョプサル」

 吉井慎一さんと、高須賀浩司さんが「チング」を結成したのは2003年。お笑いを通じて日韓の掛け橋になりたいとの思いから韓国へと渡った。韓国のテレビ番組や舞台に出演しつつ、日韓文化の違いなどを巧みに織り込んだコントを披露して好評を得た。現在は韓国通の芸人として、韓流イベントの司会などもこなす。

 「韓国ではずいぶん焼酎を飲んだ」と語る彼ら。舞台が終わった後に芸人仲間で飲みにいくと、後輩芸人たちがどんどん注いでくれるのだという。もちろん外国人だからという気配りもあっただろうが、儒教精神の残る韓国では、目上の人に酒を注ぐのは義務にも近い習慣。どんな場合でも手酌はご法度、というのも韓国ならではのルールだ。

 国が変われば酒の飲み方も違う。「チング」の2人に、そんな韓国式の酒席マナーをいくつか実践してもらった。

・目上の人に酒を注ぐときは必ず両手で

 右手に焼酎のびんを持ち、左手は右の手首か、ひじのあたりに添える。男性の場合は胸に手のひらを当ててもよい。もともとは韓服のすそを抑えるしぐさだったが、現在は目上の人に敬意を払う意味を持つ。乾杯をするときや、目上の人から酒を注いでもらうときも、同じように左手を添える。

・目上の人の前で飲むときは口元を隠す

 儒教的な考え方では、目上の人の前では酒を飲んではいけない。目上の人にすすめられた場合は飲んでもかまわないが、その場合は横を向いて口元を隠し、飲んでいる姿を見せないように気を配る。

 そのほか、乾杯は何度でもする、酒の注ぎ足しはしないなど、韓国ならではの習慣はたくさんある。酒を飲むことで親睦を深めるのは同じでも、細部に目をやると文化的な違いがあって面白い。

 日本式の笑いを韓国に伝えつつ、韓国で体感してきた文化を日本にも伝える。そんな「チング」の活動は、両国の違いを理解へと変えるものでもある。そして互いの理解は、日韓の友情にもつながってゆく。コンビ名の「チング」は、韓国語で「友達」という意味だ。

●焼酎の魅力

 韓国ではよく冷やした焼酎をストレートで飲む。そして、その焼酎にもっともよくあうとされる料理がサムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)だ。親しい友人同士の宴会や、会社関係の親睦会では必ずこの料理が登場する。東京・新大久保の「大久保でじ」は、そんなサムギョプサルを種類豊富に揃える専門店。ニンニクをたっぷり乗せたガーリックサムギョプサルや、豚肉をワインに漬け込んで下味をつけたワインサムギョプサルが自慢だ。

●店舗データ 地図

店名:大久保でじ
住所:東京都新宿区百人町1−11−31ピュアーズビル1、2階
電話:03−3364−2866
http://www.ookubodeji.com/

チング プロフィール

吉井慎一、高須賀浩司の2人からなるお笑いコンビ。2003年結成。日本のお笑いを伝えたいとの思いから韓国に渡り、韓国のテレビ番組や舞台に出演。独学で学んだ韓国語を駆使しながら公演を行う。日韓両国でライブを重ねる一方、韓流イベントの司会なども担当。現在は、Mnet『SS501 THE MISSION』レギュラー出演中。『韓風通信エウル』にて『チングのお手軽ハングル講座』連載中。


プロフィール

八田 靖史(はった・やすし)
 コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/別ウインドウで開きます)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/別ウインドウで開きます)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

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