説明する男と、説明されても良くわからない男
人間と言う動物は、走行能力がほかの動物に比べ大きく劣っている生物である。
脚の速さを捨てる代わりに、手と言う器官を得たと言い換えてもいいだろう。
おおよその中型、大型動物と呼ばれるサイズの動物と比べた場合、人間の遅さは驚異的といって良い。
まず犬などには遠く及ばないし、ヤギや鹿などにも鼻で笑われるだろう。
チーターや馬などに関しては、横に並べるのすらおこがましいレベルである。
まあ、そもそも体の構造が走るのに適していないわけだから、比べるのも間違っているのだろうが。
とにかく、人間は速度で逃げるのをやめ、器用に動く手を用いて道具を作った生き物である。
何種類か居る道具を使う動物の中でも、人間ほど多彩な道具を作る動物は居ない。
それをもって、人間は自然界を生き抜いてきた動物なのだ。
その代わり、身体能力だけ見ればほかの動物に大きく劣るのである。
にもかかわらず、そんな常識を真っ向からぶち破る奴が居た。
そいつは踏み均されただけの簡素な道を、全力疾走の馬も裸足で逃げ出す時速100kmで、食べ物をかじりながら走り抜けていた。
至極楽しそうなその顔は、おおよそ見るものに脅威を与えるものではない。
よく言えば、すごくアホそう。
悪く言えば、すごくバカそう。
そう。
その正体は、常識と言う言葉をどこかに置いて来てしまった超力おバカさん、「超身体能力」のミツバであった。
彼女は今、ハンスの言いつけで街の周囲にある農村に手紙を届けるべく走っているのだ。
盗賊を退治するために領主がやってくると言う話は、既に全ての農村に伝えられていた。
食料調達の都合上、真っ先に事情を説明してあるのだ。
このあたりの住民は国に頼る事ができない土地柄、非常に自主行動力に富んでいる。
普通であれば内密にしそうな「盗賊が来るかもしれない」と言う話も、先にしておいたほうがその後の行動がすばやく行われるとハンスは踏んでいたのだ。
案の定、隣国に近い山脈側の村々では、急ピッチで自主的に避難準備が進められていた。
殆どの村人が農家であるから、通常であれば畑から離れるのを嫌がりそうなものではある。
だが、このあたりは自然災害も多く、逃げ出さないと死ぬと言う状況が意外と頻繁に起きていた。
そのため、農民達は「逃げ出さないと殺される」と言う状況にある種慣れているのだ。
ただ、襲ってくるのは殆どが自然災害か魔獣であり、突発的な事故のような場合が多かった。
今回のように事前に襲われる事がわかり、準備する時間あることは皆無といって良い。
ましてたいていの場合一日二日で村に戻れるから、長期間に逃げる事に関しては慣れていないのだ。
いつもならば各村ごと森の中に作った非難広場などに隠れている村人達だが、日数があるためずっとそこに居るわけにも行かないだろうと考えてはいた。
それでも、危険が及ぶかもしれない村に長く居るよりは、と言うのが、多くの村人の心情だろう。
街に食料を送り出し終え次第、殆どの村が避難所へと移る事を決めていたのである。
ハンスはそうなる前に手紙を運ぶよう、ミツバに言いつけていた。
彼女が運んでいる手紙は、各村の避難所を街に作った事を知らせる内容であったからだ。
それぞれの村が作った避難所に逃げ込むより先に伝えれば、移動の手間が省ける。
街と村は踏み固められた道で固められているから、安全に避難も行えるだろう。
実際、ハンスからの手紙は村人たちにとって相当にありがたいものであったらしく、ミツバが直前に訪れた最初の村では、涙を流して喜ばれていた。
いくら逃げる事に慣れている彼らとはいえ、何も無い場所に何日も隠れているのは難しいとわかっているのだ。
早速、村人達は街へ送る最後の食料を持って、街へと避難していった。
ミツバはそんな彼らを見送り、俄然やる気を燃やしていた。
手紙を運んだ事に感謝した村人達は、疲れただろうといってミツバに食べ物をくれたのである。
常時腹ペコであるミツバは、これに飛び上がって喜んだ。
実際、垂直方向に5mほど飛び上がっていた。
これにより、ミツバの中にはある方程式が完成していた。
手紙を届ける = 食べ物をもらえる
なかなかにおバカさんな思考回路ではあるが、ミツバとはそういう生き物なのである。
ミツバにとって食べ物がもらえると言う事は、凄まじいやる気を呼び起こす原動力足りえるのだ。
それに、この手紙を運べといったのは、彼女の恩人でもあるハンスである。
そのことも、ミツバのがんばりに拍車をかけていた。
なにせハンスは出発前、無事手紙を届けたら美味いものを食わしてやるとミツバに約束してくれたのだ。
手紙を届けると、食べ物をもらえる。
そして、無事手紙を届け終えたあかつきには、ハンスに美味いものをご馳走して貰える。
ミツバのやる気は、まさに最高潮に達していた。
ともすれば全力疾走しそうになるミツバだったが、それは何とか押さえ込んでいた。
ハンスに「本気の七割で、道の上を走れ」と厳命されていたからである。
ミツバが本気で走ると、地面がえぐれたりして被害が出るのだ。
村に手紙を届けさせる時点で、ミツバが本気で走るかもしれない恐れを、ハンスは予見していた。
そこで、事前に予防線を張っていたのである。
もしハンスのこの言葉が無ければ、ミツバは家をなぎ倒したり、畑のど真ん中を突っ切って新しい道を作ったりしていただろう。
ここ数ヶ月で、ハンスはミツバの扱い方を大体理解していたのだ。
ハンスの言葉であれば、ミツバは大体従う。
全部ではないのが不安要素ではあるが、ミツバと言う生物の特性を考えればいざ仕方ない事だろう。
何せ基本的に記憶力が弱く、食べ物関係の単語を耳にすると直前の会話を忘れてしまうほどなのだ。
そんなミツバに約束事を覚えさせられると言う意味では、ハンスの指示能力は驚異的といってもいいだろう。
だが、そんなハンスの厳命も、今のミツバは危うく忘れそうになっていた。
凄まじい緊急事態が起きているのだ。
村で貰った大きな鳥のハムと、丸ごと一本のピクルスを食べきりそうになっているのである。
「もうなくちゃっちゃうっす! 急いで次の村に行って食べ物を貰わないと自分の寿命がストレスでマッハっす!!」
そんな事をいいながらも、ハムとピクルスを齧るのはやめない。
ミツバは我慢が出来るタイプではないのだ。
急がなければ、食べ物がなくなってしまう。
だが、ハンスには本気で走るなと言われている。
ミツバの理性は、最高速のメトロノームのように揺れまくっていた。
今の調子で食べ続ければ、村に着くのが早いか食べきるのが早いか、五分五分と言った所だろう。
流石のハンスも、この事態までは予測し切れては居なかった。
ミツバと言う生き物は、ハンスの予想をはるかに超えた不思議生物だったのである。
盗賊討伐に来る兵士や避難民のために狩りを行っていたケンイチ達牧場の面々だったが、今度は狩りで得た肉の加工に追われていた。
自分たちで狩り、自分たちでハムやソーセージなどにしているわけである。
ケンイチの牧場には加工場も併設されているため、設備や場所には困らなかった。
問題があるとすれば、人手と技術のほうである。
ケンイチの牧場の従業員は、ゴブリンとオーク達だ。
それなりに仕事はこなしてきた彼らだが、やはり圧倒的に経験は足りなかった。
まだまだケンイチが直接指導に当る必要があるのだ。
大量の肉を加工するため、ゴブリンとオーク達は全員フル回転で働いていた。
その全員を指導しつつ監督するわけだから、ケンイチに掛かる負担は凄まじいものである。
だが、忙しくなればなるほど、ケンイチは生き生きとしだしたのだ。
忙しければ忙しいほど元気になっちゃう。
日本人の妙な特性の一つである。
元気に指示を飛ばし、自身も食事をする暇も惜しんで作業に没頭していたケンイチを作業場から引きずり出したのは、キョウジであった。
用事があるからという名目では合ったが、実際には治療魔法使いズストップである。
働きすぎを心配していたゴブリンやオーク達も、その様子を見てほっと胸をなでおろしていた。
朝から一食も食べていないと言うケンイチに、キョウジはコウシロウの店で貰ってきた弁当を差し出した。
色とりどりで美味そうな弁当に、ケンイチは思わずといった様子でのどを鳴らす。
「っただっきゃすっ!」
ケンイチはバチリと両手を合わせると、がっつくようにかきこみ始める。
そんな様子を見て、キョウジは呆れたようなため息を付いた。
「結局、朝から何も食べてないんじゃないですか?」
「おお。なんとかヤンマーコーシャクだっけか? 来るまで後二日だってんだろ。ハムやらソーセージやら色々用意しねぇといけねぇからよぉ。ホントは熟成とかいんだけど、短期間で食えるようにした奴用意してんだけどなぁ。にしたって手間ぁかからぁな」
「ロックハンマー侯爵、ですよ。ハムって一週間とか熟成するんじゃありませんでしたっけ?」
「きちんとやりゃぁな。少しの間持たせるだけならいくらでも短縮する方法あんだよ。農業高校で教わるぜぇ? 農業高校で」
「えー……」
最近、ケンイチが通っていたのは本当に農業高校なのか疑わしく思うようになってきたキョウジであった。
しばらくして弁当を食べ終えると、ケンイチは満足げにため息を吐き出す。
「ごちそーさんっしたぁ! っとぉ。相変わらずうめぇなぁ、コウシロウさんとこのメシはよぉ!」
「ですよねぇー。そうそう、味噌としょうゆもそろそろ使えそうなのが出てきてるそうですよ? それこそ熟成は足りないって言ってましたけど」
「マジでかっ! っぱねぇなぁ!!」
「ホントですよ! 楽しみにしてましたもんねー!」
ケンイチもキョウジも、ほぼ一年近く味噌としょうゆに触れていない。
普段は何気なく食べていたものだが、この世界に来てからはいやというほどそのありがたみを感じていた。
二人の味噌としょうゆに対する思いは、もはや憧れといっていいレベルである。
「ああ、いや、そうだ。それもあれだけどよぉ。ハンスさんから話がどうのっつってなかったか?」
「そうそう、そうでした」
ケンイチに言われ、キョウジは思い出したように手を叩いた。
話というのは、ハンスが考えていた策のことである。
ケンイチもハンスも忙しく、なかなか顔を合わせることが出来ない。
そこで、とりあえず概要だけでも既に内容を聞いているキョウジが伝える事になったのだ。
本来ケンイチを加工場から連れ出したのは、その説明が目的だったのである。
ハンスの考えた策というのは、実にシンプルなものであった。
大まかに概要を言うとするならば、嫌がらせとフルボッコである。
まず、相手の目的を確認する必要があるだろう。
相手は盗賊という名目の、魔獣を試験運用するために来た実験部隊だ。
少数精鋭であり、森ばかりのこの地方では発見すら困難だろう。
勿論、本来であれば、の話である。
こちらには「千里眼」のコウシロウが居るので、どんなに隠れようが闇夜にまぎれようが、絶対に見逃す事はない。
では、軽く殲滅してしまえばいいかといえば、そうではない。
隣国は現在、この街と山脈をはさんだ反対側に、魔獣を運用するための基地を作っている。
もしこの街に実験部隊を軽くひねる事が出来る戦力がいると隣国が思えば、相当に警戒するだろう。
危機感を覚え、基地に多大な兵力を置くかも知れない。
そうなれば、まず間違いなく対抗措置としてこの街にも軍隊が置かれる事になる。
この街の平和もハンスの平和も、木っ端微塵に打ち砕かれる事になるだろう。
では、苦戦してやっとの思いで追っ払ったように演出すればどうか。
隣国はこちらの戦力を低いと見て、攻めてくるかもしれない。
自衛力の弱い国など、舐められて攻め滅ぼされるのが常識だ。
そうなったとしても、この街の平和もハンスの平和も、木っ端微塵に打ち砕かれる事になるだろう。
ならば、それなりに戦い、それなりに追い払ったとしよう。
結局山脈をはさんで反対側の基地はそのままであり、こちらにとって脅威が残る事には変わらない。
相手の実験部隊が「山脈を越えてきた」という実績も残るため、結局街には軍隊などが置かれる事になるはずだ。
この場合も、すぐさまではなくても、長期的に見えれば平和は打ち砕かれる事になるのである。
「八方塞じゃねぇーかよ」
「いや、そこでハンスさんが考えた策が生きてくるんですよ」
今まで、隣国は山脈を越えてくる事はなかった。
同じようにハンスの国も、山脈に手を出す事はしてきていない。
なぜならそこは、強力な魔獣たちの宝庫であるからだ。
近づくだけでも、非常に危険な場所である。
にもかかわらず今回隣国が実験部隊を出してきたのは、その魔獣を調教する事に成功したからだろう。
強い魔獣を従えていれば、弱い魔獣は寄り付いてこない。
実験部隊はそれを利用して、本来進めないはずの山脈を越えようとしているのだ。
今回実験部隊が無事に街の近くにたどり着けば、それは隣国だけが山脈を越えるための切符を手に入れたという事も意味する事になるのである。
つまるところ、相手の実験部隊がこちらと無事に接触した時点で、街とハンスの平和は打ち砕かれる事になるのだ。
ならば、どうすればいいのか。
実に簡単な方法がある。
魔獣に襲われて、無事にたどり着けなくしてしまえばいいのだ。
幸いな事に、山脈を挟んで隣国側とハンスの国側では、魔獣の種類や植生などが多少異なる。
山脈を越えるために、実験部隊は相当に情報収集などをしてきているはずだ。
魔獣を従えていれば比較的安全に森や山を歩ける事を確認し、だからこそ今回の事を起したのだろう。
だが、それはあくまで山脈の隣国側での話しだ。
ハンスの国側には、初めて入るはずである。
そこでいやと言うほど魔獣に襲われれば、山脈を安全に越えるための切符は幻だったと言う事になるだろう。
山脈は今まで通り通り抜け不可能な壁として存在する事になり、隣国が攻めて来る事もなくなるはずだ。
そうなれば、街とハンスの平和は、今まで通り守られることになるのである。
「でもよぉー。そう都合よく襲われんのかぁー? コッチ側にしたって、つえぇー魔獣居たら襲われねぇーぞ?」
難しそうな顔をしながら、ケンイチは首をかしげた。
魔獣の扱いに関して言えば、ケンイチはスペシャリストだ。
彼がそういうのだから、ハンスの国側でも強い魔物さえ引き連れていれば襲われる恐れは少ないのだろう。
だが、ケンイチのそんな言葉に、キョウジはなんともいえない表情を浮かべる。
「そのために居るようなもんじゃないですか。自分の能力忘れたんですか?」
「ああ? 俺の能力?」
しばしの沈黙が、その場を支配した。
ケンイチは眉間に皺を寄せ、キョウジはだんだんと汗をかいてくる。
五秒程経った所で、突然ケンイチは手を大きく叩いた。
「おお! そうか! 俺が襲わせればいーってことかぁ! どうせ野生魔獣に襲われたか飼われてるやつに襲われたかなんて見分けつかねぇーもんなぁ!」
「ケンイチさん、大丈夫ですか?」
心底感心した様子で、ケンイチは手を叩いた。
それを見たキョウジは、すさまじい不安感に襲われる。
ケンイチは別に、疲れていて判断力が落ちているわけではない。
大体いつもこんな調子なのだ。
敵の実験部隊を魔獣に襲わせると言うのは、ハンスの策の第一段階でしかない。
実際にはもっと細かく計画されているし、その後に続く策もあるのだ。
この時点で理解に躓かれるようでは、先が思いやられる。
というか、ケンイチの役割はかなり大きいので、躓かれては困るのだ。
ケンイチが策をよく理解していなかった場合、その時点で失敗が確定する事になる。
そうならないように説明するのは、キョウジの仕事とになるだろう。
まだ半分も説明が終わっていない段階でのこの状況に、底知れぬ不安感を覚えるキョウジであった。
隣国の実験部隊には、威力偵察としての側面もあると予想されている。
つまり、自分たちで実際に戦うなどして、情報を持ち帰るということだ。
これが、非常に厄介な状況を作っていた。
普通の軍隊を相手にする分には、敵の実験部隊は無難に戦い、情報を隣国に持ち帰る事になるだろう。
そうなったら、街とハンスは危険にさらされる事になる。
ならば全滅させてしまえばよいかと言えば、そうではない。
情報がないという事は判断が付かないと言う事であり、また同じような部隊が送られてくる事になるかもしれないのだ。
相手の出方に予想が付かなくなる分、余計に状況が悪くなる恐れがある。
安全策として、街には軍隊が置かれる事になるだろう。
この場合も街とハンスは危険にさらされる事になる。
ならば、どうすればいいのか。
実験部隊には適度に酷い目にあっていただき、「やはり山脈は越えられない」と言う結論を生きて隣国に持っていってもらう。
これが最良であるといえるだろう。
ズタボロになった実験部隊の死体を持っていって「森の中で魔獣に襲われていました」と言うよりも、実験部隊の口から「魔獣に襲われた」と言うほうが説得力もある。
ついでに、実験部隊をこちらで捕縛する事ができれば言う事はない。
何せ相手は「盗賊」を名乗っているのだ。
捕まえて処刑したところで、文句を言われる筋合いは無い。
だが、実際はれっきとした兵士であるだろうし、何より隣国にとっては貴重な情報を持っている人員であるのだ。
「例の盗賊を捕まえたのですが、お宅から大事な魔獣を奪った大罪人でしたよね。よろしければ引き渡しますよ」
などといえば、隣国に恩を売った形になるだろう。
実験部隊は「山脈は越えられない」と言う街とハンスに平和をもたらす結論を隣国に持ち帰る。
わざわざ兵士を引き連れてくるロックハンマー侯爵にも、大きな収穫を持ち帰って頂ける。
まさに一石数鳥の策といえるだろう。
山脈の向こう側にある基地が消えるわけではないが、越えられない山脈に兵士を送り続けるほど隣国も余裕があるわけではないだろう。
越えてこないとわかっている場所に兵を大量におくほど、ハンスの国にも余裕は無い。
ましてこの街は元々、万が一の防波堤のようなものなのだ。
ハンスの策が成功すれば、隣国がこの街に責めてくるような恐れを摘むことにもなり、ハンスの国からもやはりどうでもいい街だと再認識にされるはずである。
それはハンスにとって、もろ手を挙げて喜べる状況だ。
「と、言う事で、適度に魔獣に襲われてぼろぼろになった盗賊に扮する実験部隊を、適度にぼろぼろになるまで痛めつけて生け捕りにするというのが、ハンスさんの策なんです。わかりましたか?」
「わかんねぇ」
結局、ケンイチが策を理解したのは、夜がとっぷりと暮れてからであった。

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