2014.7.3 12:33

号泣野々村県議の政務活動費疑惑 県に抗議殺到、県議会も対応協議へ

1日の記者会見で号泣する野々村竜太郎兵庫県議=神戸市内

1日の記者会見で号泣する野々村竜太郎兵庫県議=神戸市内【拡大】

 兵庫県議会の野々村竜太郎県議(47)=無所属=が平成23~25年度の3年間で、東京や福岡などに視察などのために計345回日帰り出張したとして、政務活動費から約780万円を支出していた問題で、県議会事務局や県広聴室に3日朝までに、苦情や抗議の電話、メールが計約300件寄せられていることが分かった。県議会の梶谷忠(ただ)修(お)議長は7日に各会派の代表者会議を開き、対応を協議することを決めた。

 議会事務局などによると、25年度の政務費収支報告書が公開され、問題について最初の報道があった6月30日以降、抗議が殺到。3日朝も「電話が鳴りっぱなし」(議会事務局)で、職員が対応に追われた。

 寄せられる意見には、「議員を辞職しろ」「政務費を全額返還すべきだ」「あの(1日に開いた)会見では説明が不十分」「議会はきちんと調査してほしい」などの声が多いという。テレビの全国ニュースで、野々村氏が号泣し、時折声を張り上げながら会見に臨んだ模(も)様(よう)が報じられたため、東京など県外からの電話も相次いでいる。

 こうした状況を受け、梶谷議長は2日、野々村氏を議長室に呼び出して「説明責任を肝に銘じるように」などと厳しく注意。代表者会議では、野々村氏が使った政務費の調査、県条例で定められた政務費の公開ルールの改正などを検討する見込み。

 すでに共産党議員団は同日、「必要な調査を行い、使途の透明性の確保が図られるよう」議長に求める申し入れを提出。他の無所属議員も「視察報告書の作成と公開を義務付けること」などを議長に求めている。

 一方、野々村氏は同日午前、県政記者クラブに加盟する報道各社に対して、「会見で全て答え、質問が出尽くしたのを確認した」とした上で、「心身ともに疲れ果て、自殺に追い込まれるのではないかと不安で一杯」などと訴え、取材自粛を求める申し入れ書を配布した。