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「共感消費」が主流になってきた

公開日: : エクスマ思考, マーケティング

人々の消費が変わってきている

新しい経済社会になったな~って、ホント実感します。

価値の転換が必要になっています。
農業社会だったのが工業化社会になって、情報化社会になった。
そして今は、情報化社会でもなくて成熟した情報化社会になりました。

工業化社会のときには、マス・マーケティングとかマスコミとか、マスの時代でした。
どんどん成長する時代だった。
それが今はそうじゃなくて成熟化していくんです。
だから関係性とかコミュニティというキーワードがすごく大事になります。

例えば消費を考えてみると、昔は「機能的消費」と「記号的消費」が主な消費でした。
それが今は「機能的消費」と「記号的消費」に加えて、「共感的消費」という消費形態が大きくなってきた。
これはボクが言っているわけではなく、いろいろなところで言われていることです。
その通りだと思う。

「機能的消費」というのは、機能を買うということです。
車を買うと考えてみてください。
車の機能って何?
運転してA地点からB地点に移動する、というのが車の機能です。
この機能を買う。
「車なんか移動する手段なんだから、別に中古の軽でいいですよ」というのが機能的消費。

「記号的消費」というのは何かというと、自分はメルセデス・ベンツに乗るような人間なんだと示すためにメルセデス・ベンツを買う、というようなことです。
昔、流行ったようなブランド品を買うのもそうです。。
ルイ・ヴィトンのバッグを持つことで社会的に自分を記号として、「こういうのを持てる人間なんだ」ということを人々に訴えたい。
あるいはその気持ちを満足するために消費するのが「記号的消費」です。

メルセデスを記号消費で買う人はいなくなった

メルセデスを記号消費で買う人はいなくなった

「記号的消費」する人はいなくなる

今は「記号的消費」をする人はどんどんいなくなってきています。
「人からこう見られたいからメルセデスを買おう」というようなことはほとんどない。
「人からこんなふうに見られたいから、こういうブランドを買う」というのはなくなってきました。
バブルの頃ぐらいまではそうでしたけれどね。
あの頃のコマーシャルを見ると、笑っちゃうようなものがいっぱいありました。
背伸びした消費を促すようなコマーシャルが多かった。

「記号的消費」というのがなくなってきていますが、「機能的消費」はある意味復活しています。
例えばユニクロとかシマムラとかH&Mとか、フォエバー・トゥエンティワンとか、ああいうファストファッションが流行っているのは、ある部分で「機能的消費」が行なわれているから。
「いいじゃん、これで。別に高級なものじゃなくてもおしゃれになれるし」ということ。
「これで十分」という「機能的消費」。

「記号的消費」は、ブランド品を買ったりいい車に乗ったりすることによって、社会的にこういう人間だよと見られたい。
そのための消費。
それはなくなってきている。

「共感的消費」が多くなっている

じゃあ、人間は「機能的消費」だけで我慢できるのかというと、そんなことはないです。
消費というのは社会的行為なので、「機能的消費」ばかりしているとつまらないんですね。
それでどういう消費が生まれるかというと、「共感的消費」です

共感があってそこから消費が生まれていく。
例えば、この商品に込められた想いへの共感であったり、この商品を売っている人への共感であったり。
そういうふうに共感する消費が増えてきていると思います。
あるいは、友だちが勧めてくれた映画、「こんなにいい」と話してくれたからそれを見るというのも、「共感的消費」です。
信頼している人や親しい友達が「いいよ」と言ってくれたら、「ちょっと見てみようかな」とか「ちょっと買ってみようかな」ということでするのが共感の消費です。
日頃から、その人に共感している部分があるからです。
そういう消費が多くなってきています。
以前書いた「ハイコンテクストな消費」です。

「共感の消費」が多くなっている。
「機能的消費」はモノの発想です。
だから、共感の消費をつくり出していくことが大事です。

同じような飲食店が2軒並んでいて、同じようなメニューで同じ値段だったらどっちを選ぶかというと、共感があるほうを選ぶということです。
今は「機能的消費」と「共感的消費」の2つになってきた。

「記号的消費」が少なくなってきている。
きっと、ソーシャルメディアの発達で、「記号消費」の意味がなくなった。
自分はメルセデス・ベンツに乗るような人間なんだと示すためにメルセデス・ベンツを買うというのは、クルマだけならいいですが、日々ソーシャルメディアでその人の生活が透明化していくと、意味をなさくなる。
演じ続けることができないわけです。
本人がソーシャルメディアをやっていなくても、周りの人たちがやっていたら、多かれ少なかれ、露わになっていくのです。

あなたが日々発信している、なにげない食事の写真や、遊んでいるときの投稿。
そんな小さなことでも、見ている人にはたくさんのことが伝わっているのです。

必要なモノはもうすでに持っていて、不足なものがない時代です。
そういう満腹状態の生活者に、モノを買ってもらうためには、「共感」を作り出し、好きになってもらうことが肝要です。
あなたの商品やサービスが「共感消費」になっているかをチェックしてみましょう。

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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