新型インフルエンザワクチン接種後のナルコレプシーの多発についての調査が欧州で始まる
より転載
Swine flu vaccine safety probed over link to rare sleep disorder
テレグラフ(英国) 2010.08.27
珍しい睡眠障害との関連について豚インフルエンザワクチンの安全性が徹底調査されている
予防接種に続いてナルコレプシー患者が発生した報告を受け、フィンランドでは新型インフルエンザ予防接種プログラムを中止したと、担当防疫官から発表された。現在、調査が進められている。
これまで、グラクソ・スミスクライン社が製造した新型インフルエンザH1N1ワクチン「パンデムリックス (Pandemrix)」の接種を受けたうち、ヨーロッパ全体で 27 例のナルコレプシーを疑われる患者が報告されている。
英国では報告されていない。
EU 諸国全体では、これまで 3000 万人以上の人々がパンデムリックスの予防接種を受けた。
ナルコレプシーは稀な病気だが、原因はわかっていない。
機械を操作したり、運転中の人が突然眠りに落ちてしまうと危険になり得る。英国でも、 25,000 人のナルコレプシー患者がいると思われる。しかし、患者の80パーセントは診断されていないだろうと専門家は見積もっている。
一度でもナルコレプシーだと診断されると、患者は車の運転を禁止される。
パンデムリックスの接種が病気のトリガーとなったのか、あるいは、単なる偶然の一致なのかを現在調査している。
フィンランドでは、予防接種の後に、 8 例のナルコレプシーの症例が報告されたために、8月24日から国家予防接種プログラムを中止した。スウェーデンでは 10 例、フランスで 6 例、そして、ドイツとノルウェイで 1 例ずつ報告されている。
欧州医薬品審査庁(EMEA)では、現在、通常でのナルコレプシーの発症率と、今回のケースを比較して、関連性を調査している。薬品審査庁は、欧州疾病予防管理センター(ECDC)など他の薬事監査機関、そして、 WHO とも連絡を取っている。
製造元のグラクソ・スミスクライン社のスポークスマンは以下のように述べた。
「当 社は、可能な限りのデータを収集して独自の調査を行い、また、欧州医薬品庁(EMA)を含む関係当局と緊密に連携している。前回の世界的な予防接種プログ ラムでは、いくつかの副作用があったことが報告されている。その多くは基礎疾患によるものだと思われる。今回報告されているナルコレプシーの症例に関して は、情報も少なく、また、当社の安全データベースからも、今のところは因果関係を特定するには情報的に不十分であるとの結論に達した」。