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新時代の「シリコンバレー」は都市型に(後)

2014/07/03

Kenneth Corbin CIO

 次世代のイノベーションは、現在のシリコンバレーとはまったく違う環境から生まれることになるかもしれない。米シンクタンクBrookings Institutionの研究員、Bruce Katz氏とJulie Wagner氏は、時代の先端を行く新興テクノロジー企業が集まる中心地の将来像について、「イノベーション地区(innovation district)」という形を取るとの認識を明らかにしている。

前回から続く)

我が都市がテクノロジー中心地になるためには

 Katz氏とWagner氏は、イノベーション地区の誕生につながる環境作りのために市当局が実践すべき方策について、いくつかの項目から成る処方箋を提示している。その1つは、行政、産業、学界のそれぞれのリーダーが有機的に連携し合うネットワークを育むということだ。両氏はこれを「三重らせん」と表現している。

 このネットワークが拡大してきた後の施策として両氏が勧めている項目は次のような内容だ。イノベーション地区の発展に向けたビジョンを打ち出し、短期的発展と長期的発展のための実行可能な手順を示すこと。技能を持つ人材を引き寄せて定着してもらうための政策に照準を合わせること。包括的な成長を促進し、イノベーション地区の経済効果を周辺地域(低所得地域であることが多い)にも拡大すること。若いビジネスをスムーズに軌道に乗せるために、資金を利用しやすくなるような策を講じることだ。

 イノベーション地区の発展のためにもう1つ重要な要素は、その地域でどのようなデジタルインフラを利用できるかという点だ。そして、高速ブロードバンドに関しては、市当局者の関心はあり余るほどだ。例えば、米Googleが光ファイバー網による高速インターネット接続サービス「Google Fiber」の展開に乗り出して以来、全米各地の都市が誘致に名乗りを上げている。

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