政府は3日午前、日本と北朝鮮の外務省局長級協議を受けた安倍晋三首相や岸田文雄外相ら関係閣僚による会議を首相官邸で開き、北朝鮮に対する日本独自の制裁を一部解除する方針を決めた。北朝鮮が設置する日本人拉致被害者らの再調査に関する特別調査委員会に、実効性のある調査ができる権限が備わっていると確認。4日の閣議で正式に決定する。
安倍首相は首相官邸で記者団に「国防委員会、国家安全保衛部など国家的な決断、意思決定できる組織が前面に出るかつてない体制を確認した。行動対行動の原則に従って、日本がとってきた一部の(制裁)措置を解除することにした」と述べた。
政府が解除する制裁は、北朝鮮のミサイル発射や核実験を受けて2006年から段階的に科してきた日本独自の措置で(1)北朝鮮国籍の保有者の日本への入国禁止など人的往来規制(2)10万円超の現金持ち出しの届け出と300万円超の送金報告の義務付け送金規制(3)北朝鮮籍の船舶の入港禁止――の3項目。入港禁止の解除は人道目的に限り、貨客船「万景峰号」の入港禁止は維持する。
3日の関係閣僚会議には、首相と岸田外相のほか、菅義偉官房長官や古屋圭司拉致問題相らが参加。終了後、国家安全保障会議(NSC)も開いた。
安倍晋三、岸田文雄、北朝鮮、ミサイル、古屋圭司