<エナジードリンク>飲料市場に活…新商品も続々登場
毎日新聞 7月2日(水)21時39分配信
「飲むと元気になる」という触れ込みのエナジードリンク市場が熱い。元々は20〜30歳代の若い男性を対象にした清涼飲料だが、最近は女性や中年男性をターゲットにした新商品も続々登場。飲料市場全体が伸び悩む中、メーカーは急成長市場にしがみつこうと必死だ。【種市房子】
【写真特集】各社のエナジードリンク
◇ファッション性、消費者つかむ
「24時間戦うのはしんどい」「3、4時間戦えますか」−−。サントリー食品インターナショナルが1日発売した「リゲイン エナジードリンク」の新しいテレビCMのキャッチコピーだ。
リゲインは製薬会社の三共(現第一三共ヘルスケア)が1988年に栄養ドリンクとして発売し、99年に医薬部外品に指定された。「24時間戦えますか」のCMで有名になった。人気に火が付くとみたサントリーは、第一三共からリゲインの名称を清涼飲料に使用する権利を取得した。
想定する顧客層はリゲインになじみのある30〜40歳代のサラリーマン男性で、希望小売価格は190ミリリットル缶で185円(税抜き)。サントリー食品は「知力、体力をドカーンと高めたい。今年後半はがんがんいく」(北川広一ブランド戦略部長)と鼻息が荒い。
エナジードリンクの人気の火付け役は、オーストリアの飲料メーカー、レッドブルだ。87年に海外で、2005年に日本で発売した。若者に狙いを絞り、バー、レストラン、大学などで積極的に売り込んだ。スポーツイベントやコンサートの主催者にも名を連ね、「おしゃれな飲料」というイメージが広がった。
その後アサヒ飲料「モンスターエナジー」や日本コカ・コーラ「バーン」などのライバルが参入し、市場が拡大。ハウス食品グループが今年3月発売した「サムライド」は、スパイスメーカーらしく、八角やナツメが配合されている。マルコメ「ハッコ」や、エーザイ「ジョマ」は女性がターゲットだ。
価格は1本200円前後(190ミリリットル)と、通常の炭酸飲料の160円前後(500ミリリットル)に比べ割高。それでもエナジードリンクの「ブランド効果」で消費者の気持ちをつないでいる。メーカーにとっては、安売り競争で利幅の薄い一般の清涼飲料より「おいしい」商売なのだ。
調査会社の富士経済は「メーカーが若者にファッション性をアピールすることで、少々高くても買う習慣を形成できた」と分析している。
◇エナジードリンク◇
ビタミン類やアミノ酸の一種、アルギニンなど「元気が出る」とされる成分を含んだ炭酸飲料の総称。「オロナミンC」(大塚製薬)や「リアルゴールド」(日本コカ・コーラ)などと同類だが、2000年代半ば以降に発売された缶入り高価格飲料を指す場合が多い。食品衛生法の清涼飲料水に該当し、効果や効能をうたうことはできない。
富士経済によると、13年のエナジードリンク市場は前年比3割増の355億円。今年も19.7%増の425億円に拡大する見込みだ。「リポビタンD」(大正製薬)などの栄養ドリンクは薬事法上の医薬部外品に該当。「滋養強壮や栄養補給」などの表現も可能だが、厚生労働省などの承認が必要で、参入障壁は高い。
最終更新:7月3日(木)7時27分
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