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» 2014年07月03日 08時34分 UPDATE

「ぬいぐるみ専門」旅行サービス人気 現地の写真、リアルタイムに持ち主に 欧米からの参加も (1/2)

ぬいぐるみが名所をめぐったり、図書館で本を読んだり――そんなファンタジーのようなツアーやイベントが盛況だ。

[産経新聞]
産経新聞

 ぬいぐるみが名所をめぐったり、図書館で本を読んだり−。そんなファンタジーのようなツアーやイベントが盛況だ。その様子を収めた愛らしい写真は、大人に癒やしを、子供にはわくわくする体験を提供するサービスとして、人気を集めている。(戸谷真美)

ツアーネット配信

画像 れんが造りの東京駅をバックに記念撮影も (ウナギトラベル提供)

 ぬいぐるみ専門の旅行代理店「ウナギトラベル」(東京都港区、unagi−travel.com)には、宅配便で毎日「ツアー客」が到着する。東京ツアー(3700円)の場合、浅草や東京タワー、明治神宮などの名所をめぐり、参拝をしたり展望台から景色を眺めたり。途中、もんじゃ焼きやすしなど「客」の好みに合わせた「昼食」もとる。

 ぬいぐるみは、同社代表の東園絵さん(39)が公共交通機関を使って運び、ツアーの様子を写真に収め、フェイスブックやツイッターでリアルタイムに持ち主に配信。1回のツアー定員は6〜7体程度だが、毎回ほぼ満員。昨秋、海外メディアが紹介したことで、欧米からの参加が2割に上るという。

 鹿児島市に住む竹之内愛さん(33)は6月、雷のぬいぐるみ「ゴロ」を横浜ツアーに出した。ぬいぐるみが大好きで「感情をもって動いたらいいのに」と思っていたが、大人になるとそんな気持ちは理解されにくい。だが、フェイスブックには同じような持ち主の声があふれ、新しいつながりができた。竹之内さんは車椅子のため遠方の旅行が難しいこともあり、「世界観を共有できるのがうれしいし、自分自身が励まされる」と話す。

 4年前からツアーを実施する東さんは「すべての方にアドベンチャー(冒険)を提供したいと思って始めた。旅の理由はそれぞれなので、お客さまの気持ちに寄り添うことを心がけています」。預かる際のアンケートでは名前や性別はもちろん、エピソードや乗り物酔いの有無まで尋ねる。利用者には、高齢や病気で旅行が難しい人や、「妻の育児の息抜きに」と申し込んだ男性も。父の仕事の関係で終戦直後の日本で少年時代を過ごした米国の70代男性が、「美しかった日本に自分の代わりに行かせたい」と当時から大事にしていたテディベアを送ってきたこともあった。昨年は東日本大震災の被災地、宮城県気仙沼市でカキ漁を「体験」するツアーも行った。今後はツアー先を増やしたり、企業訪問なども手がけたいという。

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