中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 愛知 > 7月2日の記事一覧 > 記事

ここから本文

【愛知】

教委が再発防止策など報告 三河の公立小でいじめ

 三河地方の公立小学校三年生の教室で、いじめられている同級生をかばおうとした女子児童が、別の同級生三人から集団暴行を受けた問題で、小学校を管轄する教育委員会は一日、役所内で会見し、事実関係や再発防止策などを説明した。

 本紙報道を受け教育長らが急きょ会見。担任は、今春に大学を卒業したばかりの男性教諭(23)だったとし、教育長は「背景には、学級の風土や、担任の学級経営の問題が大きく影響している」と述べた。

 さらに、本紙が報道するまで問題を公表しなかったことには「小学校三年生の間で起きたことであり、双方和解し、適切に対応してきた。保護者の要望もあった」と説明した。

 教育委員会は一日、臨時の小中学校校長会を開き、いじめへのきめ細かい対応のほか、「経験の浅い」教諭への指導強化を求めた。

◆担任の意識低かった

 会見での教育長や担当課長との主な一問一答は次の通り。

 −六月三日の暴行に至った経緯は。

 前日二日の下校後の児童クラブで、女子児童がいじめを受けていた同級生をかばい、「いじめるなら私を代わりにいじめて」と発言した。その場にいた三人のうちの一人が、翌日の教室で「いじめてもいいんだって」とはやしたてた。

 −暴行やけがの程度は。

 二、三分間、背中に跳び蹴りしたり、強くたたいたり。児童が二人で体を押さえつけた場面もあった。けがは頭のこぶや首、腰の擦り傷など。

 −担任の教諭は何をしていたのか。

 教室に来たら暴行が行われていたため、注意してやめさせ、事情を聴いた。目に見えるけががなかったため、病院に連れて行くことはなかった。

 −学級の状態はどう認識していたか。

 授業にならないほどではないが、落ち着きがなく、担任の指示が通らないことはほかの教諭も認識していた。

 −いじめられていた児童は。

 四月から悪口や砂をかけられるなどの嫌がらせがあった。学校は毎月いじめアンケートをしていたが、認識していなかった。ただ担任は目にしていたと思う。

 −なぜ十分な対応をしなかったのか。

 からかいや遊びと思っており、アンケートでも本人から上がってこなかった。担任の経験が浅く、意識が低かった。フォローする学校体制も不十分だった。

 −再発防止策は。

 いじめは大人の目に触れない水面下で起きている。本人が言わないから「ない」と形式的にしないよう、さまざまな情報が収集できる校内体制、教職員の意識づくりをしたい。

 <いじめをかばった女児への暴行問題> 6月3日午後、いじめをかばおうとした小学3年生の女子児童が教室内で、同級生の女児1人、男児2人の計3人に暴行された。授業のため、教室に来た担任教諭は暴行を直ちに制止できず、すぐに保護者にも知らせなかった。その後、3人と保護者が女子児童側に謝罪。女子児童は6月30日から通常通り登校している。

 

この記事を印刷する

PR情報



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ