IMMのポジション状況
シカゴ・マーカンタイル(CME)取引所の国際通貨先物市場に上場されている通貨の建玉(IMMポジション状況)は、全米先物取引委員会(CFTC)により報告を義務づけられています。
投機目的で為替取引を行う主体は、主に通貨先物を使うため、このIMMポジション状況は短期筋ポジション状況=為替市場の方向性に純粋に賭けている人のポジション状況ということで、注目されます。
今回は7月1日時点のデータが出ましたので、まとめます。
ドル円
左軸の上に行くほど、円買いドル売りのポジション、下に行くほど円売りドル買いのポジションを現します(面積チャート)。右軸はドル円を逆にしています。
やはり、アベノミクス以来ずっと投機筋は円ショートですね。
とはいえ、今年に入り、金利高ドル上昇見通し(2014年初は誰もがそう予想していた)に変化が生まれているため、ポジション量自体は減少傾向。
ユーロドル
ユーロドル。以降ドル基準(ストレート)のチャートになります(ドル円のチャートとはすべて逆)。
上に行くほどユーロ買いポジション量が増えるって見てください。
ECBのマイナス金利導入以降、投機筋は一気にユーロショートドルロングに。まあ、そりゃそうですよね。
豪ドル
上に行くほど豪ドル買いドル売りです。
今年初めは、中国経済懸念などから豪ドルに弱気な人が多かったと思いますが、ドルがさらに弱く見られるようになったことでロングポジションが集まっています。この辺相対感の世界ですね~
世界的な低金利環境が続きそうでかつボラティリティも低いため、そこそこの政策金利を維持している豪ドルにはキャリー需要も集まるところ。
NZドル
高金利といえばNZドルですね。G10通貨でNO1の高金利3.25%。
実質GDPは2013年2.38%→2014年予想3.0%→2015年予想3.5%。
一方でCPIが前年比で、2013年1.15%→2014年予想1.7%。高成長低インフレで通貨が上昇する条件が整っている感じです。
直近の買いポジションが減少してますが、さまざまな資金流入が続いていそうです。
堅調ですね~。
ポンド
最後はポンドで。
比較的経済規模の大きい先進国の中では、いち早く金利正常化を進めようとしているイギリス。
住宅価格は2007年のピークを上回っています。イングランド銀行は住宅価格の加熱を抑えに行っているのにこうなってしまっているのは、うらやましいまでの経済の強さですね~
まとめ
総じてドル売り(その他通貨買い)のポジション形成(もしくはドル買いポジションの圧縮)が続いているってことかな~と思います。
やはり今年年初に米国のQE終了からの金利早期引き上げシナリオに対するコンセンサスが強まりすぎて、米金利上昇、米ドル上昇ってみんなが思い込みすぎてました。そんで、その巻き戻し局面が続いているってことですね。