戸田拓
2014年7月2日22時07分
「元年は何度も来たが、いつまでも二年が来ない」と揶揄(やゆ)される電子書籍。だが、今度こそ本格的に普及する時代が来るかもしれない。評論家でジャーナリストの立花隆氏が2日、「東京国際ブックフェア」(東京・有明)で講演し、義務教育の現場が電子書籍普及のカギとなる、と強調した。
■学校発で社会変革へ
このフェアは出版関係者向けの商談展。立花氏は2003年にも講演を行い、「先行き真っ暗の大不況であればこそ、大チャンス到来の大乱世のはじまり」と話したという。しかし、実際の出版不況は予想を超える深刻さで、「出版社だけでなく、書店も取り次ぎも先が見えない」と嘆いた。
その上で、「11年前にも『日本でも電子書籍時代が来るぞ』という話をしたが、今度は本当に来る。学校教育が変わるからだ」と断言。大阪市や東京都荒川区の小中学校などでタブレット端末の導入が進んでいることを例に挙げ、「教育現場に電子ブックリーダー的な端末が組織的に入ってすべての子どもが使えば、それは社会の変革そのもの」と述べた。
■本の概念が変わる
立花氏は一昨年と昨年、東京都内と仙台の小学校で「宇宙観」をテーマに実験授業をした。生命存在の可能性などをめぐって注目を集める太陽系外惑星について、最新の観測結果などを伝えた後、インターネットで調べさせた。子どもたちは学習の成果をまとめ、驚くほど活発に議論したという。
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