Googleが、Android / iOS用のOfficeアプリ Quickoffice の配布を今後数週間で終了することを明らかにしました。配布終了後は、すでにインストールしたことのあるユーザーならば再ダウンロード可能ですが、新規に導入はできなくなります。


Quickoffice はMicrosoft Office の Word, Excel, PowerPoint ファイルと互換性のあるOfficeアプリ。Google は2012年に Quickoffice を買収し、段階的な無料化や Google Drive との連携を強化して iOS / Android 用に配布していました。

しかし Office 文書の編集機能は Google Docs / Google Drive に直接組み込まれるようになり、モバイル向けにはDriveからさらに切り出して独立させた 「Googleドキュメント」「Googleスプレッドシート」を新たに提供しています。

Office文書編集機能が新規アプリやサービスに吸収発展されたことで、機能が重複するQuickofficeアプリは退役させる判断になったようです。何らかの事情で落としておきたい場合はこちらから。


Quickoffice ( App Store)

Quickoffice ( Google Play)



なお Quickoffice といえば、2012年のGoogleによる買収以前からスマートフォンやタブレット向け Office アプリの定番でした。もとを辿れば 1990年代後半、世の中にまだスマートフォンが存在せず、携帯端末といえば「PDA」(Personal Digital Assistant) だった時代に Palm OS向けの表計算アプリ Quicksheet として登場した由緒ある(?) アプリです。

当時は Palm で動く非純正アプリのほうが、マイクロソフトのモバイル版Windowsを載せた高価なハンドヘルドPCで動く純正Officeアプリよりもはるかに使える皮肉な状況でした。長く続いたQuick~のブランドが消えることも感慨深いものがありますが、マイクロソフトが10数年を経てもモバイルで覇権を得られず挑戦を続けていることにはなかなか戦慄せざるを得ません。

(公正を期して言えば、数限りない挑戦のうち、" Windows Mobile "時代はニッチな携帯情報端末市場でかなり優位になったこともあります。しかしビジネス向けの通信端末として急成長したBlackBerryの地位を奪うことはできず、そうこうするうちにスマートフォン時代には取り残されて iOS や Android の前に風前の灯となり、仕切り直しの Windows Phone として再挑戦中であることはご存じのとおり。



モバイル端末向けのOfficeでいえば、生まれ変わったWindows Phoneアプリは生まれ変わったようにまともに使えるだけでなく、先日には「モバイルファースト、クラウドファースト」な戦略転換とともに iOS 向けにも純正のフル機能 Office アプリをリリースしています)。

Google、Quickofficeアプリの配布をまもなく終了。Palm時代から17年の歴史に幕

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