BNPで終わらない、他の欧州銀も米国の標的か-制裁破り摘発
7月1日(ブルームバーグ):制裁対象国と取引した疑いで銀行を調査する米当局は、フランスのBNPパリバ に罰金89億7000万ドル(約9110億円)を科したが、この後さらに複数の欧州銀を摘発する可能性がある。
仏銀クレディ・アグリコル とソシエテ ・ジェネラル、ドイツのコメルツ銀行 、イタリアのウニクレディトなども米当局の調査の対象になっているからだ。
メディオバンカのロンドン在勤アナリスト、クリストファー・ウィーラー氏は電話インタビューで、「銀行に不正行為の責任を確実に取らせようと米国が一段と積極的な姿勢で臨んでいると言える」とし、BNPよりも「高い罰金というのは想像しにくいが、もちろん状況によりけりだ」と話した。
金融危機後、銀行に対する監督当局の目は厳しくなり、脱税ほう助から制裁破り、金利や為替、商品相場の操作などさまざまな容疑が浮上している。欧州の銀行は資本水準が十分かどうかを審査する欧州中央銀行(ECB)のストレステストを控えているが、罰金などに備えた引当金を増やさざるを得ない。
政府ウェブサイトによれば、米国が制裁対象国との違法取引絡みで金融機関を摘発したケースは2009年以来で少なくとも22件。
仏銀2位のソシエテはイラン関連の取引をめぐり11年に11万1000ドルの民事制裁金を支払っているが、米国の調査は終わっていないという。同行と仏銀3位のクレディ・アグリコルはそれぞれ、制裁対象国とのドル取引に関して内部調査を実施するとともに当局調査に協力している。
独コメルツ銀は10年にイラン関連取引で調査を受けていることを明らかにした。ウニクレディトの昨年12月の年次報告書によると、同行のドイツ部門も11年3月にニューヨーク州当局から召喚状を受け取っている。
原題:Europe Banks Under U.S. Scrutiny as BNP Pays $8.97 BillionFine(抜粋)
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更新日時: 2014/07/02 02:31 JST