環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の一環として進められている日米協議で、日本が米国の安全基準を満たした米国車輸入を一定枠認めることは見送られる見通しになった。米国が要求してきたが、日本の激しい反発を受けてあきらめ、日本車の米国への輸入が急増するのを防ぐ方向へ軸足を移したためだ。

 日本に昨年輸入された外国車は約28万台あるが、そのうち米国車は約1万4千台にとどまる。そこで、米国は、輸入車に義務づけられた日本の安全基準が「参入障壁」だとして、米国の安全基準を満たすだけで日本で売れる「輸入枠」をつくるよう求めていた。

 しかし、日米の安全基準は違いが多い=表。日本は左車線、米国は右車線を走るため、道路を照らすライトの向きが異なる。歩行者や自転車との事故が多い日本と、車どうしや単独の事故が多い米国では衝突実験の条件も違う。