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【競馬・ボート・競輪】

[ボート]あすから「G1オールジャパン竹島」イン蒲郡

2014年7月2日 紙面から

 中日スポーツ杯争奪「G1オールジャパン竹島特別 開設59周年記念」が蒲郡ボートで3日から8日まで開催される。浜名湖のグラチャンから19選手が転戦。SG同様の熱い戦いが蒲郡のナイター戦で繰り広げられる。V争いは大激戦。今回はSG紙面でおなじみの荻野滋夫さんをはじめ、中日ボート担当記者による、シリーズ注目のイチ押しメンをピックアップ。本命から穴まで、しっかりと6日間追いかけます。

◆平本、絶好調

 地元G1初制覇へ、勢いは最高潮と言っていい。平本真之は4月中旬の三国から浜名湖、とこなめ、桐生、蒲郡、若松と目下自己最高の6場所連続優出中。絶好調の状態でこの周年記念に乗り込んでくる。

 好調の要因を尋ねると「最初の5場所は一般戦だし、番組に優遇されることも多いんで最低限のことと思ってたんですよね。ただ、レースを楽しめてるのはいいところだと思います。それに若松の記念も一般戦の流れのまま落ち着いていけました」と自己分析した。

 純粋にレースを楽しめているというのは平本にとって大きなことだと思う。2011年の児島グラチャンでSGで初めて優勝戦1号艇に乗り(結果は6着)、12年2月の芦屋ではG1初制覇。SGタイトルに手が届く位置にいながら新ペラ制導入以降はやや停滞状態が続いた。一時期は「ちょっと走り方がわからなくなってるんですよね」と普段は人懐っこい笑顔を見せる平本が、もがき苦しんだ。その姿を見て記者も心配していただけに吹っ切れたことが何より。結婚もし、パパになり自覚も芽生えた。精神面が充実すればきっと大きな結果を出してくれるだけの選手だと思う。

 「蒲郡は1カ月前に走って優勝もできたし、相性は抜群にいいと思ってます。もちろん出るからには優勝を狙っていきます」と平本。言葉通り蒲郡はここ10節で7優出、3優勝。主役を張るだけの資格は十分にある。

◆今村、中年の星

 その昔、今村豊はボート界のプリンスとも天才とも呼ばれていた。艇王・彦坂郁雄とモンスター・野中和夫の二大スターが桁違いの強さでボート界に君臨する中、彗星(すいせい)のごとく現れた今村のスピードターンにファンはしびれた。

 あれから30有余年。時代は移り変わったが、今村は今村のまま、ボート界の第一線を走り続けている。明るいキャラ、分け隔てなく誰とでも接する誠実な人柄にピットでも自然と今村の周りに人が集まる。

 「日本一の中年おやじ、エロおやじ〜」と言って周囲を笑わせるひょうきんな姿とは裏腹に、見えないところで努力は怠らない。「S練習に参加できる水面なら、必ず参加するし、試運転ができる時はしっかりやる。練習しないとSも分からない」。

 練習の虫と呼ばれた若いころからのレースに向かう姿勢は、いまもそのまま。天性の才能とたゆまぬ努力が中年の星・今村を作り上げた。1着回数2530回や通算優勝126回は王者・松井とて、まだまだ及ばない数字。今年は福岡オールスターで優勝戦2着。そして前走の浜名湖グラチャンで優勝戦3着と絶好調。「こんな中年のオレでええの」と、どこまでも謙虚な今村が、今節もスイスイ勝ちまくる。

◆菊池、旬の男

 浜名湖担当として、いや、浜名湖担当でなくとも、今の菊地孝平の勢いと充実ぶりには目を見張る。福岡オールスターで、約5年ぶりのSG制覇。その勢いで、浜名湖SGグランドチャンピオンで史上12人目となるSG連勝まで成し遂げたのだ。艇界一、旬の男といって過言ではない。この人を推さずして誰を推すか、という感じ。“イチ押しメン”だ。

 「落ち着いてレースに臨むことができています。精神状態をしっかりとコントロールできているのが大きいですね」と菊地は好調の理由を説明する。

 一時は方向性を見失いないそうになることもあった。自ら“冷静に”というテーマを掲げてそれが実践できている。

 「このテーマをこなしていけば結果は付いてきますからね。結果はもちろんですが、内容も。少し前からずっと続けてきたことが着実に実になってきた感じですね」

 地元浜名湖でSG連勝という最高の結果を出した。だが、これで満足はしてない。常に上を追求する。それが菊地だ。

 「まだまだ成長できる自分がいると思うんです」と目を輝かせた。そして蒲郡の周年記念に向けて「優勝回数は少ないですが、好きですよ。蒲郡はイメージを膨らますことができる。そういう場は好きなんです」。勢いは最高潮。蒲郡でも菊地が躍動する姿を見られそうだ。

◆赤岩、地元最強

 蒲郡最強レーサーといえば、赤岩善生。ファンの期待を背負っていることを強く意識したおとこ気あふれる走りは、ホームプールでさらに強さを増す。ボート界屈指の整備、調整力で舟足を最高の状態に仕上げ、まさに遠征陣を迎え撃つ。

 その強度を象徴する蒲郡データがある。2011年7月のSGオーシャンカップから13年3月の一般戦まで8節連続して優出。そしてその間に5連続優勝をマークしている。

 11年12月の東海地区選と12年1月一般戦は、インから逃げ、12年4月の周年記念は2コースから鋭差しで勝ち上がった。5、8月の一般戦は逃げ快勝。ちなみに地区選前のSGオーシャンカップも優勝戦1号艇だったが、水面コンディション悪化の影響もあり惜敗の2着だった。

 レースのグレードに左右されない圧巻の走り。13年12月の一般戦からは再びホーム3節連続優出中で、前回の4月一般戦で優勝と波に乗ってきた。

 前走地の浜名湖SGグラチャンは優出を逃したが、準優勝戦(4着)直後「あしたはしっかり取りに行く」とすぐさま次の戦いへ集中力を高めた。蒲郡の看板レーサーは目前の1走1走に全力を尽くす。

◆“理論派”荒井

 夏の夜を彩る蒲郡周年記念には隠された逸材が目白押し。看板レーサーだけでなく伏兵組にも注目したいものです。

 その一人が荒井輝年選手。『あの人が乗った後のプロペラは修正が大変…』と言われる代表格です。経験とイメージ、それに専門家の理論をふまえ作り上げたペラ修正技術は独特で、背面の基本形状から異なっています。『ゲージがまったく合わないペラ』といわれるゆえんです。

 「ジャンプ競技を観戦していても車に乗っていても、空気の流れや風の抵抗について根本的なところから考えるクセがあります。風を、水に置き換えればプロペラ理論に通ずると思いますので…」と語るなど、自分で考え検証するのが荒井流。物まねをよしとしない探究者だからこそ実現可能な独自の加速力を水際で確認したいものです。

 そして、もう一人が久田敏之選手。もともと重量級のため、ハンディがありましたが、ここ数年で『無理のない自然な減量』に成功。徐々に体重を落とし、戦うための条件を整えています。レースがうまく、2コースさばきが抜群。的確に差し込み上位に絡んできますが、1着本数が2着の3倍におよぶ典型的な『1着型』であることを念頭に、舟券作戦を立てたいものです。

 開放的な新スタンドでボートレースの醍醐味(だいごみ)を満喫してほしい蒲郡周年です。

(レジャーチャンネルキャスター・荻野滋夫)

ドリーム戦見どころ

 池田は前走の浜名湖・グラチャンでF。Sは無理できない身となったが、それでもインが見込めるドリーム戦の主役は渡さない。3月のオールスター(総理杯)ではF2にもかかわらずベスト6入りする気迫を見せた。地元蒲郡のイン戦なら安定感は抜群だ。

 瓜生と松井で差し争いになるか。瓜生は2011年の周年記念や今年2月の一般戦でも優勝を飾っており、蒲郡は得意コース。松井も08年のオーシャンC優勝の実績を誇る。カドから攻める井口が早々と仕上げてくれば、赤岩や6コースは得意な山崎も浮上してくる。

総展望 優勝争い 松井、瓜生VS地元勢

 G1単独開催とあって、その顔触れは超豪華。SGタイトルホルダーが実に19人も集結し、熱い戦いが繰り広げられる。けん引するのは初日12Rのドリーム組に間違いないだろうが、直前のグラチャンで“事件”が起きたのは心配のタネ…。ドリーム戦1号艇で登場する池田浩二がFを切ってしまったばかり。単なるF1本持ちということではない。今年は2月の東海地区選でF2となり60日のF休みを余儀なくされたが、その休みを消化し、今期は6月10日が走り始め。A1確保の90走を走るためにも、もうこれ以上のS事故は起こせない状況に陥ってしまった。卓越したターンと集中力でどこまでカバーできるかが焦点となる。

 蒲郡のファンにとってうれしいのは王者・松井繁の名があることだろう。何しろ、当地を走るのは2011年7月のオーシャンカップ以来。得意水面とはいえないが、今年はSGクラシックにG1、2勝と好調で、優勝争いに加わってくる。また、56周年制覇から当地は5連続優出中と毎回、しっかりエンジンを仕上げてくる瓜生正義も当然優勝を意識して乗り込んでくる。

 ドリーム組は他に53周年覇者の井口佳典、蒲郡看板選手としての意地と気合でレースに集中してくる赤岩善生、今年記念3Vと好調の山崎智也も虎視眈々(たんたん)。また、予選組でもオールスター、グラチャンとSG連勝を果たし、乗りに乗っている菊地孝平、菊地に敗れこそしたが、SG連続優出中のレジェンド・今村豊、巧者・太田和美、ディフェンディングチャンピオンの川崎智幸と、挙げればきりがないほどV候補が浮かぶ。

 迎え撃つ地元勢もA1復帰でG1戦線にも戻ってきた原田幸哉、インファイターの大嶋一也、仲口博崇に若手も平本真之、坂元浩仁、岩瀬裕亮と個性派ぞろい。新スタンドがオープンして最初の記念レースを大いに盛り上げてくれそうだ。

 

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