直ぐに消す。
それが言い訳だ、だから、せめてこんな詰まらない告白を許してほしい。
罪の告白だ。それがどんな罪か、わかるものなら苦しみもしない。
元来、罪というものは牽強付会に決めつけられてきた。
私のこの罪も、きっと…
そうやって逃げる癖がある。
無為徒食の生活に、希望を見出したのはいつの日だったか。
これが語り口だ。ここまでに要した無駄話で、諸賢たちは愛想を尽かしただろう。
それが狙いでもある。純粋に、ただ純粋に聞いてほしいのだ。
一切は無常に過ぎる。
始めよう、私が正気でいるうちに。ああ、あの天使たちが(悪魔かもしれぬ)のんきに頭上を回っているんだ、無邪気な、いったい無邪気という言葉はどれほどの人間にとって凶器になりうるか、それをあの天使たちは解っていない。
Un ange passe.
黙れ。
いま私は誰と話をしているのか、それを邪魔するのは許されぬことだ。
運命というのは唐突に動き始めるものです。
そう、天狗が来たね。それから、鞍馬は大騒ぎだ。この騒ぎが後にどのような物語を生み出すか、私たちも能く知る通り。
そうやってまた逭れる!
私は一切を任せた。それがどうだ!重荷…大切な荷物ほど、かなしき看守よ!
燃え去ったのだ。そして何事もなかったかのようにそこには新たな建造物が、わが物顔で。
エルドラド、涙も出まい。なにが涙だ、けがらわしい。
私は黄金よりも価値ある石ころを知った。
磨けば光る、莫迦め!あなたは笑ったろう。磨いても磨いてもむなしいだけ。
失くなるのだよ。
すべては繰り返しなのか?タチヤーナよ、間に合わぬのか。
憎きフリードリヒ!ああ、この世は!あの洞穴の醜き思想に埋もれ行くのか。
なにが照れ隠しか。
駄文だ!わたしは一切を知らずに生きたほうがよかった!
行動するには、一切を知らぬ必要があるのだ。
私はおまえを憎んでいるよ。こころから。
わたしはお前をあざむくのだ、永遠に。Je te réponds en cinq lettres.