阪神−ヤクルト 1回裏1死一塁、左越え2点本塁打を放つ阪神・梅野=倉敷で(持木克友撮影)
|
 |
◇阪神12−6ヤクルト
阪神が13安打12点で1分けを挟んだ連敗を5で止めた。0−2の1回に梅野の2ランなど7点で逆転。4回には梅野の2打席連続の4号ソロ、ゴメスの13号2ランなどで5点。藤浪は6イニング10安打6失点で5勝目。ヤクルトは石川が乱調。
◇
倉敷での一戦。敵の燕軍団を退治したのは桃太郎ではなく「隆太郎」だった。梅野が球団史に名を刻むプロ初の2打席連発。5連敗中のチームをトンネルの出口へ導いた。
4回無死。歴史的一発が生まれた。石川の外角シュートを捉え、左中間席へ4号ソロ。球団の新人では69年の田淵以来、45年ぶりとなる2打席連発となった。「光栄ですね」。普段は冷静沈着な23歳は、大歓声に包まれたヒーローインタビューで口元を緩めた。
1本目も価値ある一発だった。5点を奪って迎えた初回1死一塁。1ボールから石川のシンカーを捉えた。左翼席中段へ3号2ラン。15打席ぶりの安打が5月6日の中日戦以来の一発となった。
「最近打っていることが少なかったし、積極的にいこうと思っていた。久々の手応えだったので、行ったと思った」。チームにとっては6月15日の西武戦で緒方が放った一発以来8試合ぶりの本塁打でもあった。
梅野の打撃フォームは、母校・福岡大で教科書となっている。大学4年の夏。樋口修二監督(62)が梅野のスイングを上半身、下半身、膝など各箇所に分けて撮影した。「膝が割れないスイングなので変化球にも対応して、来た球を打てるフォーム。下級生が参考にしています」と同監督。DVDに保存し、後輩が手本にするほど理想的なフォームだ。
シーズンは半分の72試合が終わったばかり。「こういう経験を生かして後半戦も頑張りたい」。今や欠かせぬ存在となりつつあるルーキー。倉敷でつかんだ自信を胸に、定位置の座をつかみにいく。
この記事を印刷する