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<予算執行調査>ゆるキャラ乱立、財務省が見直し要請

毎日新聞 7月1日(火)21時35分配信

 独立行政法人(98法人)の関係機関でマスコットキャラクターを作製しているのが105機関に上り、大半の作製目的があいまいで効果を上げていないことが1日、財務省の予算執行調査で分かった。キャラクターの乱立は昨今の「ゆるキャラブーム」も背景にあるとみられ、同省は「予算の無駄遣い」として抜本的に対応を見直すよう求めている。

【写真】休憩する偽ミッキーマウス

 マスコットキャラクターにかかる費用は独法の広報関係経費(2013年度で計12億9900万円)から支出されている。調査によると、キャラクターを導入した理由は「広報一般のため」「他が導入しているから」などと、あいまいな回答がほとんど。28機関では着ぐるみを作製し、作製単価は平均約59万円。しかし、昨年度の出番(稼働日数)は平均で19日にとどまる。中には年間でわずか5日間の出番なのに、維持管理費が年100万円を超えた機関もあった。

 受付やロビーに配置する人形や置物は18機関で作っており、1体で小型車並みの138万円を支出している機関も。2体を38万円で作製しながらイベントに4回展示したのみで、それ以外は「倉庫で眠ったまま」のケースもあった。

 イベントなどで配布するボールペンなどのオリジナルグッズを作製している独法は27機関。このうち、17機関は在庫管理を行わず、グッズを身内である法人職員に配っていた機関もあった。

 財務省は調査結果を今後の予算編成に反映させる方針。出番の少ないキャラクターについては「引退」(廃止)を含めて見直すよう求めていく。【三沢耕平】

 【ことば】予算執行調査

 財務省が査定した予算が効率的に使われているかをチェックする仕組み。2002年度にスタートした。昨年度までに廃止や事業見直しなどで予算に反映した額は計3492億円。今年度の対象は75件で、調査を終えた58件について結果を公表した。保健師を育成する厚生労働省の事業や、自治体に災害対応の専門家を派遣する事業など6事業で全廃や一部廃止を所管省庁に求めた。理化学研究所がパソコンや検査キットなどを一括購入せずに割高な単価で調達するなどの「無駄」も発見。予算要求官庁のコスト意識の低さを改めて浮き彫りにしている。

最終更新:7月2日(水)4時37分

毎日新聞

 

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