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月額920円で1GBのLTE SIMカード、ヨドバシカメラで9月から販売

250kbpsで月額480円、10GBで月額5490円なども

 ワイヤレスゲートは、公衆無線LANスポットの利用とドコモのLTE網に対応した、MVNOによるデータ通信サービス「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE SIMカード」を9月1日に発売する。販売はヨドバシカメラの店舗およびWebサイト。7月1日からこれらの販売網で予約受付を開始する。

 「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE SIMカード」の価格は、通信速度が250kbpsに制限される一方で月間の通信容量に制限のない月額480円(税込み、以下同じ)の「480円プラン」のほか、月間1GBで月額920円の「920円プラン」、月間5GBで月額2480円の「2480円プラン」、月間10GBで5490円の「5490円プラン」の4つをラインナップしている。いずれのプランも、全国4万カ所のスポットに対応した公衆無線LANサービスが付属する。

「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE SIMカード」
プラン 料金(税込み) LTEの月間通信容量 LTEの通信速度(理論値) SMS
480円プラン 月額480円 制限なし 250kbps オプション(月額150円)
920円プラン 月額920円 1GB 最大150Mbps オプション(月額150円)
2480円プラン 月額2480円 5GB 最大150Mbps 対応
5490円プラン 月額5490円 10GB 最大150Mbps 対応

 月間の通信容量に上限があるプランは、超過時には通信速度が250kbpsに制限される。200MBごとに540円を支払うと通信速度制限を解除できる高速通信チャージ機能も用意する。「480円プラン」でも高速通信チャージ機能を利用でき、その場合はチャージ利用分のみ下り最大150Mbpsで利用できる。

 NTTドコモのLTE(Xi)網に対応し、「480円プラン」以外では、通信速度は下り最大150Mbps。SIMカードのサイズは標準、microSIM、nanoSIMの3種類、料金の支払いはクレジットカードのみ。解約時に違約金は発生しない。初回にはSIMカード発行手数料として3000円がかかる。

 SMSは、「480円プラン」「920円プラン」ではオプションになり、月額150円。「2480円プラン」「5490円プラン」では別途申し込み無しでSMSを利用できる。送信料は1通3円。

 ワイヤレスゲートの商品として特徴に挙げている公衆無線LANスポットは、全国4万カ所で利用可能。具体的には、公衆無線LANサービスとして、「BBモバイルポイント」「Wi2 300」「eoモバイル Wi-Fiスポット」に対応している。

 iOS、Androidに対応するアプリが用意され、公衆無線LANスポットの検索のほか、通信速度制限の解除や、通信状態の良いWi-Fiに優先的に接続する設定などを行える。

LTE対応でユーザー層を拡大

 7月1日に行われた記者向けの発表会にはワイヤレスゲート 代表取締役 兼 創業者の池田武弘氏が登壇した。池田氏は、同社が公衆無線LANサービスを提供してきたことや、WiMAXと組み合わせた商品のラインナップを紹介。年間8万件の純増で、順調に推移しているという。これらはデータ通信のヘビーユーザー向けだったと池田氏は位置付けるが、今回発表のLTE対応のSIMカードは、安価な料金を求めるユーザーも対象にして、事業領域を拡大するものと位置付けている。

ワイヤレスゲート 代表取締役 兼 創業者の池田武弘氏

Wi-Fiが「主」、LTEが「従」というコンセプト

 新たに提供される「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE SIMカード」について、池田氏は、「Wi-Fiが『主』、LTEが『従』」とコンセプトを紹介する。Wi-Fiを利用した公衆無線LANサービスは通信速度や通信容量の面でメリットが大きいとし、「スピードはWi-Fiでカバー。エリアはLTEでカバーする」と説明。公衆無線LANサービスはこれまで月額390円で提供してきたことから、「月額480円のプランでは、LTEが実質90円。ある意味衝撃的な価格だ」というアピールも飛び出した。

 同社はほかのMVNOのデータ通信サービスとの差別化として、全国4万カ所という公衆無線LANサービスの充実を挙げており、LTEの利用が少ない場合は、200MB分の高速通信チャージをプレゼントするといった施策も検討しているという。

 Wi-Fiに関連した取り組みでは、世界で1300万カ所のスポットを擁するというスペインのFonと、資本・業務提携を検討していくという方針も発表。国内外を問わず提携の話を進めていきたいとし、Fonのエリア自体を広げるような取り組みや、そのエリアを使った新たなサービスも検討していく意向を明らかにした。

ヨドバシカメラでSIMロックフリー端末とのセット販売を検討

 販売経路については、パッケージに「ヨドバシカメラオリジナル」といった表記も見られるように、当面はヨドバシカメラの店舗と通信販売のみになる見込み。ワイヤレスゲートの子会社であるワイヤレスマーケティング・ラボの代表取締役、原田実氏は、「これからはSIMロックフリーの端末が主流になる。多種多様な端末が出てくるだろう。ヨドバシカメラでも取り扱っていくと聞いている。端末を店頭で選び、我々のSIMカードを一緒に選んでいただきたい」と語り、ヨドバシカメラを中心に、SIMカードのみのパッケージを展開していく方針を明らかにした。

ワイヤレスマーケティング・ラボ 代表取締役の原田実氏

 今回発表されたサービスもデータ通信のみで、3Gの音声通話はサポートされていないが、法人向けには需要や要望があるとしており、池田氏は「可能性として、検討していく。技術的には可能で、具体的にどういう設計をするか」と説明している。なお、今回の発表とは別に、M2MやIoTを対象にしたサービスを8月1日に発表する予定としている。

 「価格競争を仕掛けているつもりはない。差別化はWi-Fi。LTEだけの競争では限界がくる」と池田氏は語っており、一般ユーザー向けのサービスでは、Wi-Fiやデータ通信を中心に拡充させていく方針を明らかにしている。

※価格はいずれも税込み

(太田 亮三)