2014年7月2日19時21分
英科学誌ネイチャーは2日、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)らが同誌に発表したSTAP細胞の論文を撤回した。理研が画像の捏造(ねつぞう)や改ざんを認定したのをはじめ、論文には多くの疑義が指摘されていた。小保方氏ら主要著者が同意し、ネイチャーに撤回を申し入れていた。
撤回によって、「生物学の常識を覆す」として世界的に注目された研究成果は、発表から約5カ月で白紙となった。
ネイチャー誌は撤回の理由について「重要な誤りが論文に見つかった」と指摘。理化学研究所の調査委員会による報告書で、画像の取り違えなどが「不正」と認定された上、調査委が調べた以外の誤りも、共著者により指摘されていることを挙げた。
「いくつかの誤りが重なり、STAP現象が存在すると確信を持って言えなくなった。現在検証実験が進んでいるが、誤りの性質から判断し、2本の論文を撤回するのがふさわしいと考える」と説明し、謝罪した。
STAP細胞論文は2014年1月30日付(電子版は29日付)で掲載された。マウスの体の細胞を弱酸性の液体で刺激するだけでどんな細胞にもなれる万能細胞に変化するというSTAP細胞の作製方法などを記した主論文「アーティクル」と、STAP細胞からつくったとされる幹細胞の特徴などを示した追加論文「レター」の計2本で構成されていた。
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