今年の京都 祇園祭の見どころ!祇園祭の役立つウンチクも満載です。

By | 2014年7月2日

gionmain

平安時代から1000年以上も続く、日本を代表する京都のお祭り“祇園祭”。

祇園祭の期間に行われる前祭山鉾巡業は、実はユネスコ無形文化遺産に登録されているほど、世界的にも評価されています。また、今年は例年とは違い、盛大に復活を遂げる記念すべき年でもあります。祇園祭りについて、この機会に色々と知っておきたいところです。

7月1日にスタートし、これから約1か月間続く祇園祭。基本から、知ってて得するウンチクまで、幅広くご紹介します。祇園祭りを上手に楽しむポイントや京都ならではの観光についても触れていきます。次のお休み、京都の祇園祭に出掛けてみるのはいかがでしょうか?

祇園祭って何のお祭り?

平安時代に疫病が流行り、平安京の神泉苑に当時の国の数である66本の矛を立てて疫病退散を祈願したのが始まりです。当時は、疫病が流行した年だけ実施されたようですが、そのうち毎年行われる伝統行事となりました。

ウンチクPoint!
祇園祭が祭っているのは、日本神話の神、スサノオノミコト(素戔嗚尊)です。『日本書紀』や『古事記』にも出てきた神で、ヤマタノオロチ(八岐大蛇)に生贄にされそうになっていた少女を救った神でも有名です。

1ヶ月の間、ずっとお祭りが続くの?

gion2

祇園祭は、7月1日から始まる祭神を祀り、祭りの無事を祈願する“吉符入(きっぷいり)”という神事を皮切りに、様々なお披露目や神事を実施しながら、7月31日に祭りが無事に終了したことをご祭神に報告する“疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい)”という神事で締めくくられます。1か月まとめて祇園祭と言います。


今年の祇園祭りのスケジュールはこんな感じです。

7/1(火) 吉符入(きっぷいり)※祭りの無事を祈願する神事
7/2(水) くじ取式(くじとりしき)※山鉾の巡行順序を決定
7/5(土) 長刀鉾(なぎなたほこ)※稚児舞披露
7/10 (木) お迎提灯(おむかえちょうちん)※神輿を迎える神事
神輿洗式(みこしあらいしき)※中御座神輿を清め、飾り付ける神事
7/14(月)~16 (水)
7/21(月・祝)~23(水)
屏風祭(びょうぶまつり)※山鉾町の旧家が秘蔵の屏風や懸装品を一般公開する催し
7/14(月)~16(水) 前祭 宵山(さきまつり よいやま)※沢山の露店がにぎわういわば山鉾巡行の前夜祭
7/17(木) 前祭 山鉾巡行(さきまつり やまほこじゅんこう) ※23基の山鉾が祇園囃子を奏でながら街を巡行
7/21(月・祝)~23(水) 後祭 宵山(あとまつり よいやま) ※かつての祇園祭の風情が残る、お囃子だけが聞こえる宵山。
7/24(木) 後祭 山鉾巡行(あとまつり やまほこじゅんこう) ※復興した大船鉾を含む全10基の山鉾が巡行
7/31(木) 疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい) ※祭りの無事を報告し感謝する神事

ウンチクPoint!
祇園祭りと言えば、“宵山”のイメージがあると思いますが、実は“宵山”は、巡行のいわば前夜祭です。現在では最も人が集まるのが宵山ですが、室町時代以降はずっと祇園祭のクライマックスは山鉾巡行でした。


ウンチクPoint!
お稚児さんは、八坂神社から長刀鉾町に養子に出され、生神(いきがみ)様となってお祭りの安全を祈願する役割があります。お稚児さんは、まっすぐに前髪を揃え、襟足は三角形にそり上げていき、独特のお稚児さんカットに。この三角型の襟足は「うろこ」と呼ばれ、首を細く長く見せるとともに、魔除けの意味も持っているようです。

150年ぶりに復活する大船鉾(おおふねぼこ)が今年の見どころ!

1864年の「蛤御門の変」で焼失した大船鉾。今年は、この大船鉾が150年ぶりに復活することで、祇園祭が「前祭(さきまつり)」と「後祭(あとまつり)」それぞれに分かれて開催されることになりました。ちなみに、前祭と後祭が別々に開催されるのもなんと45年ぶりだとか。今年は記念すべき祇園祭になりますね。

  • 7/17(木)~7/19(土):鉾建て
  • 7/20(日):曳き初め
  • 7/20(日)~23(水):船搭乗
  • 7/24(木):後祭の山鉾巡行で大船鉾登場!

ウンチクPoint!
蛤御門の変、覚えていますか?学校や塾で教わったと思いますが、復讐をかねて歴史のお勉強。蛤御門の変は、1864年8月20日、尊王攘夷派の勢力を取り戻そうと、会津藩主松平容保を排除するため長州藩が挙兵。京都御所近くの蛤御門付近で戦い、京都の街を火の海にした事件です。御門の梁にはめり込んだ鉄弾が今も残っています。幕府から長州征伐の責任者に任命された西郷隆盛は、勝海舟との話し合いから事態を収拾させたことでも知られていますね。

上手に祇園祭を楽しむ4つのポイント

gion

今年の祇園祭は特別感も増し、例年以上の人出になるかもしれません。

昨年は約85万人の人が祇園祭にやってきているということなので、上手に祇園祭を楽しむポイントは抑えておいて損はありません。


1.何といっても真夏のお祭り。万全の暑さ対策を忘れないようにしましょう!
7月の京都は、風が通りづらく、ただでさえ夏場の暑さが厳しい地域です。祇園祭の最中は、多くの人がごったがえし、ますます暑さが増して感じられるはず。帽子、飲み物など、熱さ対策グッズを準備して、適度に日陰で休憩しながら、無理をせず体調に気を付けて楽しみましょう。

2.賑やかなお祭りの雰囲気を味わいたいなら宵山に出掛けましょう!
先祭の鉾山巡行の前夜祭にあたる宵山が一番人出も多く賑わいをみせます。数々の露店が街のあちこちに出ています。祇園ばやしが響く夜の華やかな雰囲気と人々の華やかな装いで、気分も盛り上がることでしょう。

3.前祭、後祭をセットで楽しむのが今年ならではの楽しみ方です!
同じ山鉾巡行くでも、神様をお迎えに行く前祭と、神様を見送る後祭では、雰囲気が違います。前祭りでは、10トンを超える山鉾を30人~40人の男たちが、勢いよく路地を曲がる辻廻しを披露します。その勢いと力強さに大興奮です。一方、後祭は、静かに10基の山鉾が神様を八坂神社にお送りするもの。この2種類の山鉾巡行を比較するのも楽しいと思います。

4.山鉾巡りや御朱印集めもオススメです!
数々ある山鉾を巡ってみると、祇園祭の楽しみも倍増します。一つひとつの山鉾がそれぞれのご神体をのせて街を回ります。山鉾は、それぞれにご利益のあるお守りや授与品があるので、そんなグッズ集めもいかがでしょうか。また、御朱印集めも記念になります。特に宵山期間中だけの御朱印もあるので、レアな御朱印を頂くのもおすすめです。

ウンチクPoint!
山鉾の中でも最も古いと言われる疫病除けの長刀鉾(なぎなたぼこ)。長刀鉾は、“くじ取らず”と言われ、毎年、山鉾巡行の先頭を飾ることになっています。無病息災や学業成就のご利益がある山伏山(やまぶしやま)、六歌仙のひとりでもある大伴黒主が桜を眺める様子の黒主山(くろぬしやま)、からくり仕掛けのカマキリが屋根の上で動く蟷螂山(とうろうやま)や、不老長寿・商売繁盛のご利益がある菊水鉾(きくすいぼこ)など、見ていて楽しく、知っていて嬉しい、そんな山鉾巡りになりますよ。

夏の京都なら川床!町屋のおばんざいも忘れずに。

せっかくの京都だから、やっぱり京都ならではの観光も抑えておきたいところです。京都の夏の風物詩なら、何といっても7月8月しか営業されない川床。鴨川を眺め、自然と調和した川床で涼やかな風に吹かれながら京都名物を一度は堪能してほしいと思います。

kawadoco

また、町屋で味わうおばんざいもやはり京都ならでは。しっかりとだしの風味と、京野菜の素材の味わいを引き出すおばんざいは、懐かしさと優しさにあふれています。そうそう、和スイーツも忘れてはいけませんね。お祭りの賑わいを聞きながら、しっぽり京都の夜も楽しんできてくださいね。

machiya-bar machiya