「理研の倫理観にもう耐えられない」7月2日 18時11分
iPS細胞を使った世界初の臨床研究を進めている理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーはSTAP細胞の問題で、小保方晴子研究ユニットリーダーに、指摘されている数多くの疑義について説明させないまま検証実験に参加させるなどした理化学研究所の対応は問題だとして、今後、新たな患者への臨床研究を中止する可能性を示しました。
小保方リーダーと同じ神戸市の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターに所属する高橋政代プロジェクトリーダーなどのグループはiPS細胞を使って、目の網膜の一部を再生し、病気で失われた患者の視力を回復させる世界で初めての臨床研究を進めています。
高橋リーダーはSTAP細胞の問題で、小保方リーダーに指摘されている数多くの疑義について説明させないまま、検証実験に参加させるなどの対応を取っている理化学研究所について、「理研の倫理観に、もう耐えられない」などと、ツイッターを通じて批判しました。
そのうえで、すでに移植手術に向け準備が進んでいる患者の臨床研究は続けるものの、「まだ始まっていない患者さんの治療については、中止も含めて検討いたします」と記し、「万全を期すべき臨床のリスク管理として、このような危険な状況では責任が持てない」などと状況を説明しました。
STAP細胞の問題はiPS細胞を使った世界初の臨床研究にも影響を及ぼす可能性が出てきました。
「まだ真意分からない」
高橋政代プロジェクトリーダーの指摘について、神戸市にある理化学研究所の齋藤茂和所長は、「今の環境では患者が不安に思い、臨床研究がやりにくくなっているという趣旨だと思うが、まだ真意が分からないので、高橋先生に直接、話を伺いたい」と述べました。
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