2014年7月1日21時26分
1日の閣議決定は、憲法の解釈変更で、戦後一貫して禁じてきた海外での武力行使に道を開くものだ。他国への攻撃であっても、三つの要件を満たせば、自衛隊が反撃する集団的自衛権の行使を認める。国連の国際平和維持活動(PKO)などで武器を使いやすくする。自衛隊は活動範囲が広がる半面、危険にさらされる場面も確実に増える。
集団的自衛権を行使できるようにするため、これまで日本が攻撃された場合のみに限ってきた自衛権発動の3要件を変更する。
新3要件は①我が国に限らず、密接な関係の他国が攻撃された場合でも、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある②(危険を排除する)ほかの適当な手段がない③必要最小限度の実力行使にとどまる。これらを満たせば、その国と一緒に自衛隊が反撃できるとした。
具体的に想定するのは朝鮮半島有事だ。安倍首相はこの日の会見で、海外在住の日本国民が避難民として米国艦船に乗り込み、その船を守って戦おうとする自衛隊のイラストをパネルにして示した。日本国民を守るため、米軍と協調行動することなどを考えている。
また、国連安保理決議に基づく多国籍軍などへの補給など「後方支援」を拡大する。他国の武力行使と一体化しないように設けた「戦闘地域」と「非戦闘地域」の線引きをなくし、非戦闘地域に限ってきた自衛隊の活動場所を広げる。
PKO活動に従事する自衛隊が武器を使いやすくする。今までは、自分や共に行動する要員の身を守る時だけ武器を使えた。今後は離れた場所で他国のPKO要員らが武装勢力に襲われた時でも、駆けつけて武器を使い反撃できる。
政府は閣議決定を反映した法改正の検討チームを設置。自衛隊法などの改正案を国会に提出する。
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朝日新聞官邸クラブ
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