即時撤回、首相退陣を 集団的自衛権決定・仙台で抗議集会
市中心部を行進し、集団的自衛権の行使容認を決定した安倍政権に反対の声を上げる参加者
政府が憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使容認を閣議決定した1日、県内で弁護士や学者らが一斉に抗議の声を上げた。「再び戦争をする国になる」「憲法の基本原理を踏みにじる」。批判のボルテージは閣議決定直後に最高潮に達し、安倍晋三首相に退陣を求める意見が飛び出した。
「戦争をしないという基本方針を180度転換し、戦争ができる国にした。許し難い行為だ」。元宮城教育大学長の伊藤博義さん(79)は閣議決定直後、仙台市青葉区であった抗議集会で政権批判を繰り広げた。
伊藤さんは県内の法曹関係者や労働団体などでつくる宮城憲法会議の代表で、閣議決定直後に関係団体と緊急集会を主催した。「政府が再び戦争の惨禍を引き起こす道そのものだ。閣議決定の即時撤回と退陣を求める」とするアピール文を採択した。
集会には市民ら約600人が参加し、市中心部をデモ行進した。
泉区の無職猪股利和さん(82)は「国民の意見を聞かず、憲法を政府の解釈で変えるのはまずい。武力ではなく、話し合いで平和を守る道を選ぶべきだ」と強調した。
仙台弁護士会も閣議決定後、「憲法違反の閣議決定に強く抗議し、即時撤回を求める」との会長声明を出した。閣議決定は(1)憲法の平和主義に反する(2)憲法によって国家権力を制約するという立憲主義に反する−などと指摘した。
2014年07月02日水曜日