スマート道路で一石多鳥--発電できる「ソーラー道路」

Lyndsey Gilpin (TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2014年07月02日 07時30分

 米国とカナダの国境から南に1時間の場所にあるアイダホ州サンドポイントで、未来へのビジョンを持つ夫婦がとんでもない計画を考え出した。すべてのアスファルト道路をソーラーパネルに換えようというのだ。これによって、温室効果ガスの排出量は劇的に削減され、クリーンな再生可能エネルギーを作り出すことができる。

 しかし実際には、このプロジェクトは想像されるよりもはるかに現実的なものだ。


ソーラー州間高速道路の想像図。
画像提供:Sam Cornett

 Scott Brusaw氏とJulie Brusaw氏の夫妻は「Solar Roadways」を開発した。これはモジュール式の舗装システムで、18.5%の効率を持つソーラーパネルを使用している。25万ポンド(約113トン)の重さに耐えることができ、20年間使えて、雪や氷は接触すると消え、LEDライトが組み込まれていてドライバーに前方の落下物や通行車両の存在を知らせる。両氏はこのプロジェクトに8年間取り組んできたが、このほどIndiegogoで試みにプロジェクトをスタートすることを決め、その結果に驚いている。

 Solar RoadwaysのIndiegogoキャンペーンには、100万ドルの目標に対して220万ドルを超える資金が寄せられた。これだけの注目が集まった理由の1つは、YouTubeの動画「Solar Freakin' Roadways」(ソーラー大好き道路)が口コミで広がったことだ。このプロジェクトのインパクトについて興奮してしゃべる男が登場するこの動画は、現時点ですでに視聴回数1600万回を超えている。

 IndiegogoのPRを担当しているAlexis Blais氏は、「この動画はIndiegogoの存在をまったく新たな層の人たちに広めた」と述べている。「Solar Freakin' Roadwaysは、かつてなかった形で口コミに乗った。米国のすべての州、そして世界中からの出資があるというのは、めったに起こることではなく、非常に興味深い」

 これらの出資は、Indiegogoの新記録を打ち立てた。このキャンペーンは、世界中の4万8000人の人たちから出資を受けている。

 「このキャンペーンには、世界にソーラー道路を受け入れる準備ができていることを、雄弁かつ明確に示している」とScott Brusaw氏は言う。

ソーラー道路の仕組み

 Bruesaw夫妻は3歳と4歳の時からの知り合いだ。Scott氏は子供の時に、通電している道路の上で小さな電気自動車を走らせる、スロットカーのおもちゃに熱中していたことを覚えている。これを現実に実現するというアイデアは、これ以後同氏の人生と関わり続ける。同氏はいまだに、中学校の時に描いた電力網と道路の図を持っているという。

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