小保方氏が理研に出勤、STAP細胞検証実験参加へ
STAP細胞論文問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)が2日、STAP細胞が存在するかどうかの検証実験に参加するため、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)に出勤した。報道陣の前に姿を見せたのは4月9日の記者会見以来、約3か月ぶり。小保方氏の参加で、検証実験が本格化する。
小保方氏は午前10時55分ごろタクシーで到着。白いパーカにスニーカー姿、長く伸びた髪をポニーテールにしていた。センターの門外にいた報道陣が「小保方さーん」と呼び掛けても応えることなく、足早に建物に入った。代理人弁護士は小保方氏が出勤前に電話で「頑張ってきます。しっかりやります」と話したと明らかにした。
理研は小保方氏の懲戒委員会の審査中断を決めており、これに対して人工多能性幹細胞(iPS細胞)による世界初の臨床研究を進めるセンターの高橋政代プロジェクトリーダーが研究中止の検討に言及。世界的な注目を集める研究にも影響が出始めた。
検証実験のチームは2日午後に、小保方氏が参加する検証実験の流れや、不正が起きないようにするための具体的な方法などを説明する。参加は7月1日~11月30日までの5か月間で、実験をビデオで記録するなど透明性を確保する。初日は「健康状態が良くない」として出勤を見送っていた。
検証実験は論文の共著者でセンターに所属する丹羽仁史プロジェクトリーダーらが中心になって4月から進めており、これまで小保方氏は実験そのものには立ち会わず助言をしていた。検証実験は来年4月ごろまでかかる見通しで、7月末~8月上旬にも中間報告を発表する予定。