すぐ予想できることなんてつまらない
—— 今日はさすがにこの話を聞かなければいけないかな、と思っています。KADOKAWAとドワンゴの経営統合の話です。
川上量生(以下、川上) はい。
—— この件についてのインタビューはたくさん受けられていると思うのですが、ここで僕が聞きたいのは川上さんの心情です。この連載のなかで「今一番やりたいのは寝ること」「社員は重荷」などおっしゃっていたのに、なんでまたこんなに大変そうなことを引き受けられたのか……。
川上 いやー、大変ですよね。あの、いや、ほんと大変(笑)。
—— そうですよね(笑)。
川上 こんな大変なものを引き受けたくないという気持ちはあったんですけど、まあ、多少はやらなきゃいけないだろうなと思ったんです。
—— この統合は、角川歴彦会長からの依頼が先にあったのでしょうか。
川上 そうですね。角川会長に以前から打診を受けていました。それは僕にとって、すごくうれしいことだったんですよ。
—— ドワンゴに続いて、また会長職ですね。
川上 最初は角川さんが、「僕が会長で、川上君は社長というのはどうか」と言っていたんです。でも僕は、角川さんが会長で、僕が副会長というのがいいなと思って、ずっと副会長の座を要求していました(笑)。
—— 副会長ってなかなか聞かないですね(笑)。
川上 そうしたら、角川さんが「じゃあ自分は相談役になる」と言い始めて、どうしようかと思いました。で、けっきょく権力争いに負けて(笑)、会長になったんです。
—— 権力争いに負けて最高の地位に(笑)。あの、記者会見で「この統合による、ドワンゴ側のメリットが見えない」という質問がありました。じつは、僕もそう思ったんです。その時の川上さんの回答を聞いても、やっぱりよくわからなかったのですが、あらためて教えてください。この統合の、ドワンゴ側のメリットって、なんでしょうか?
cakesに登録すると、多彩なジャンルのコンテンツをお楽しみいただけます。 cakesには他にも以下のような記事があります。