集団的自衛権:行使容認に懸念表明の韓国政府も反対せず

 日本政府が1日、集団的自衛権の行使を容認することを正式に決定したことについて、韓国政府は「韓半島(朝鮮半島)の安全保障や国益に悪影響を及ぼす形で集団的自衛権が行使されたり、北東アジアの軍備競争を誘発したりしてはならない」と懸念を表明した。外交部(省に相当)の魯光鎰(ノ・グァンイル)報道官は同日のブリーフィングで「日本は歴史に起因する(周辺国の)疑問や懸念を払拭(ふっしょく)すべき。歴史修正主義を捨てて正しい行動を取らなければならない」と述べた。魯報道官はまた「韓半島に対する日本の集団的自衛権行使は、韓国の要請か同意がない限り容認できない」として「具体的な内容を定める上で、日本政府は過去60年余り維持してきた平和憲法の基本精神を堅持し、米日同盟の枠内で地域の平和と安定を害さない方向で透明性を持って進めなければならない」とくぎを刺した。

 外交部の関係者は「安倍政権の集団的自衛権は、米日同盟の下で米軍が攻撃を受けた場合に反撃や後方支援に当たるという消極的な次元ではなく、積極的平和主義という大義名分の下で、第2次世界大戦での敗戦という束縛から抜け出し、軍事力を海外で思い通りに行使するという膨張主義に走る可能性が少なくない」と述べた上で「こうした日本の動きが北東アジアで軍事的緊張と覇権争いにつながっては困る」と指摘した。

 だが韓国政府は、集団的自衛権が国際法的に認められた合法的権限である上、韓米日の協調体制を維持する必要がある点を考慮し、日本の決定自体には反対しなかった。

 日本が韓半島有事に直接関与しようとしているのではないかとの懸念に対し、韓国政府の当局者は「集団的自衛権は、他国の土地に勝手に入って振り回すことのできる『伝家の宝刀』ではない。日本政府も該当国家の明確な要請または同意がなければ集団的自衛権の行使はできないとの立場を示した」と述べた。

ペ・ソンギュ記者
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