最前方哨所の戦闘兵を特別選抜へ=銃乱射事件受け

年間1万人規模で選抜
1月から開始、手当・休暇を上乗せ
乱射兵長「捜索チームと3回遭遇、容疑者だと気付かれず制止されなかった」

 江原道の東部戦線にある韓国軍の最前方哨所(GOP)で銃器乱射事件が発生したことを受け、韓国軍は対策の一つとして、年間1万人規模の「GOP戦闘兵」を選抜し、捜索大隊やGOPに配置する案を検討していることが分かった。韓国軍は先月30日、こうした案を兵務庁と協議していることを明らかにした。

 韓国軍は、GOPや捜索大隊での勤務を希望する戦闘兵を、公告で募集したり、徴兵検査で身体等級が1-2級と優秀だった人物の中から選抜するといった方法を検討している。韓国陸軍の関係者は「兵務庁との協議を経て、早ければ来年1月から募集を始める」と語った。韓国陸軍は、選抜されたGOP戦闘兵に対して下士(伍長に相当)の階級に準ずる特殊地勤務手当を支給し、休暇も上乗せする計画だ。また、GOPの警戒兵全員に防弾チョッキを支給することを決めた。

 一方、今回の銃器乱射事件で同僚の兵士5人を殺害した22歳の兵長は、犯行の動機について「(部隊員から)存在しない人間のように扱われた上、幹部に頭を殴られた」と供述しているという。韓国陸軍が明らかにした。

 またこの兵長は、陸軍の取り調べに対し、事件当日に哨所内の巡察日誌で、自分を骸骨のように描いた絵を見つけて「かっとなった」と供述した。陸軍が30日に公開した巡察日誌の写真には、骸骨だけでなく「アンパンマン」「しょくぱんまん」「スポンジ・ボブ」など、マンガに出てくるキャラクターにほかの兵士をなぞらえた絵も多数写っていた。このほか、陸軍によると、兵長がGOPの哨所で銃器を乱射した際、一部の兵士が応射していたという。

 さらに兵長は、軍の取り調べに対し「脱走して逃げる途中、捜索チームと3回遭遇したが、捜索チームはこちらが容疑者だとは気付かず『伝令の途中』と言えば特に制止されなかった」と主張していることが分かった。

チョン・ヒョンソク記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース