化粧品が肌に与える害
ここまでずっと基礎化粧品についてのことばかりお話ししてきましたが、化粧品が肌に与える害はそれだけではありません。肌に安全かそうでないかはメイク用化粧品でも同じです。メイク用化粧品のことは別のカテゴリーで詳しくお話ししますね。ここでは、化粧品が肌に与える害にはどんなものがあるのか、お話ししたいと思います。
一口に肌に害と言っても、それには2種類のものがあります。1つ目は、かぶれたり、つっぱったり、かさぶたになったりといったような化粧品の使用後にすぐ現れる、いわゆる炎症です。これらはこじらせない限りはその時だけのものなので、原因になった化粧品の使用をやめれば問題はありません。
問題はもう1つの害なのです。合成界面活性剤の入った化粧品をそうとは知らず、これまで何の問題もなく気持ち良く使っていたのに、数年、または10年20年と経ってから一気にシワやシミが出て、肌が荒れたりするケースです。これは合成界面活性剤によって徐々にバリアゾーンの脂が奪われて乾燥し、それをどうにかしようと保湿性化粧水で角質層を水びたしにし続けた結果、角質層が弱くなってしまったために起こる現象なのです。でも、こんな害があることを化粧品の消費者である女性たちは知りません。
危機意識を持って知識を得ようと自らが考えない限り、こういうことに気づくことはできないのです。取り返しのつかない肌になってしまう前に気づいてほしいのです。
急性毒と慢性毒がある
合成界面活性剤入りの化粧品には「急性毒」と「慢性毒」があります。急性毒というのは、前回もお話しした一過性の炎症を起こすもののことで、これは洗顔フォームやクレンジングオイルの使用で皮脂を流し続けた結果、バリアゾーンが弱くなったり、壊されてしまったために角質層に異物が侵入して起きるのです。ちなみに、ここに「無添加・自然派」をうたう化粧品の巧妙な手口があるのですが、それはまた別の記事でお話しします。
すぐ目に見える急性毒よりもはるかに恐いのが、気づかないうちに肌が冒されている「慢性毒」です。慢性毒は、急性毒のような炎症は起こしません。炎症が起こるのは毎日、慢性毒にさらされてバリアゾーンが壊れた時、です。しかし、慢性毒に毎日さらされても、若い人や肌の強い人は(皮脂が多くてバリアゾーンが強い人のこと)すぐには何も起こりません。
若い人は皮脂分泌が活発なので、合成界面活性剤にさらされても持ちこたえます。肌の強い人も、その皮脂の多さである程度は持ちこたえられるのです。だからこそ、その丈夫さが仇になって数年、あるいは10年も20年もたってから突然、肌の衰えが顕著になるのです。
ですが、10代でいくら若いと言っても、中学生くらいから洗顔フォームや乳液を使い続けていると、10代後半から20代前半で肌が乾燥するようになります。実際、何年も前から、乾燥などするはずのない年代の若い女性たちが肌のひどい乾燥を訴えているそうです。
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