化粧品毒性テーブル

はじめに
はじめにお断りしておきますが、このテキストは化粧品を真っ向から否定するものではなく、化粧品選びのひとつの指標を提示するものです。気に入って使っているものをとやかく言うつもりもないですし、またここを読んだ事で即化粧品の使用の中止を促すものでもありません。極端な行動を行うことのないよう重ねてお願いしておきます。またショッキングな内容も含まれますので参考程度としてご利用される事を強くお勧めします。また、この記述に関しての反論や批判がございましても、それにお答えする用意はなく、管理者は一切の責任を負いかねます。あくまでもご自身で判断するようにお願いします。


化粧品と皮膚毒性
美しくなるために使った化粧品で大切な顔にシミができたり、黒皮症になったりする。こんな割に合わない話はありません。化粧品の生産量や使用量の増加と共に皮膚障害に悩む人が増え、ついに化粧品公害の裁判が行われるまでになりました。少し古い話ですが、昭和52年、顔面黒皮症などの障害に苦しむ各地の主婦ら18人が、原因は化粧品にあるとしてメーカー7社に対して損害賠償を求める訴訟を起こしました。4年半にわたる法廷での争いの結果、昭和56年12月、ついにメーカー側は「化粧品が原因だった」と責任を認め、補償に応じたのです。


ではなぜ化粧品によって皮膚障害が起きるのでしょうか? 化粧品は油性成分、乳化成分を練り合わせ、それに殺菌剤や色素、香料や防腐剤を加えるなど多数の化学物質から出来上がっています。皮膚にとっては異物であるこれらの化学物質の中には皮膚を刺激し、障害を起こす成分があるからです。



化粧品の中身
高級そうな容器からトロリと出てくる化粧品の中身は何でしょう? 主な物は油性成分といわれるもので、油脂、ワックス、ロウ、脂肪酸、アルコール、エステルなどが含まれています。油性成分を乳化させるために用いられるのが界面活性剤です。台所用洗剤には必ず入っているものですから、一度確認されてはいかがでしょうか。界面活性剤は、混ざる事のない水と油を混ぜ合わすために使う溶剤です。化粧品のしっとり感は、乳化、分散、可溶化、浸透、洗浄、発砲、湿潤などの多様な作用をもつこの界面活性剤のおかげです。


色素、顔料、香料なども重要な成分です。発がん性のために食品添加物では使用できないタール色素も化粧品にはなお多数使われています。香料の数は極めて多く、毒性が不明のものが多いのです。さらに防腐、殺菌、酸化防止剤の中には皮膚や粘膜を刺激するものが多いものです。またホルモン、○○エキスなどの特殊な成分の多くは期待されているような効果は確認されていません。そのような製品は大抵高価であるものですが、高価=効果とは必ずしも言えませんので、価格や特殊な成分に惑わされない事も大切です。



成分の表示
化粧品に含まれている成分が全て表示されるようになりました。成分がわかれば自分の肌に合う化粧品を選ぶ時の判断材料になることでしょう。また逆に一度使って何らかの障害を起こした時に参考にすることも出来るでしょう。しかし、以前は「表示指定成分」と言う、皮膚になんらかの障害が起きたという報告が一度でもある成分の表示だけを義務付けられていたのですが、2001年4月から全成分を表示しなくてはならないという風に変わってしまいましたので(猶予期間1年半)、毒性のある成分、毒性の心配のない成分が同時に表示されるため、表示指定成分を目安にしてきた消費者は混乱する事でしょう。「自分の肌は自分で守れ」ということですが、要はメーカーの責任逃れです。この毒性テーブルで確認してみましょう。



本当に美しくなる為に
化粧品が「肌に栄養を与え、シワ、しみ、ソバカスを防ぐ」ことはありません。すこやかで美しい肌は、やはりバランスの取れた食生活、適度な運動、穏やかな心、十分な休養や睡眠、ストレスをうまく発散すること等から生まれるものです。化粧品を使いさえすれば美しい肌になるという考えは間違いです。人間の皮膚は手のひらや足の裏を除いて皮脂腺が全身に分布しており、皮脂を分泌する事により皮膚表面にバリアを作っています。正常であれば皮膚表面は弱酸性に保たれ、正常な常在菌のみが成育できる環境を維持しています。


このバランスが崩れたときに何らかの皮膚の障害が起きてくるわけですが、特に顔の場合、化粧品と関係している場合が少なからずあるはずです。実際に消費者センターに寄せられる苦情のトップは化粧品による皮膚障害です。ですから、女性であれば化粧品によってかぶれたり、逆にガサガサになったという様な経験をお持ちの方は結構いると思います。お手入れしているつもりでも、全く逆効果の場合も多々あるということです。


「一体何の為に化粧をするのだろう」と考えたあげくに、「ノーメイク」を宣言する女性もいます。知性や教養を磨き、本当の女性の美しさをめざして欲しいものです。なにもメイクをすることを悪い事だとは全く思いませんが、化粧品メーカーが毎年のように作る新しい流行に一斉に支配され、個性のない化粧を続けるのはいかがなものでしょうか?


この化粧品毒性テーブルは環境毒性研究所が製作したものをまとめたものです。ご自身が使用している化粧品の成分と照らし合わせてみるのもよいでしょう。(アイウエオ順)
発がん性の報告があります 皮膚や粘膜への毒性が知られています 心配するような毒性はありません
アミノフェノール
オルトフェニルフェノール(OPP)
クロルキシレノール
ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)
ソルビン酸
タール色素(例:赤色2号)
トリエタノールアミン
パラアミノアクトクレゾール
パラクロロフェノール
パラフィン
フェノール
フェニレンジアミン
ブチルヒドロキシアニソール
ポリエチレングリコール
ホルモン類
(エストロゲン、卵胞ホルモン、エストラジオール)
硫酸トルエン-2.5-ジアミン
硫酸パラメチルアミノフェノール
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
安息香酸(塩)
イクタモール
エタノール
エデト酸(塩)
塩化セチルトリメチルアンモニウム
塩化セチルピリジニウム
塩酸ジフェンヒドラミン
オキシベンゾン
感光素
カンタリスチンキ
クレゾール
クロロブタノール
コロイドイオウ
サリチル酸
酸化亜鉛
ジイソプロパノールアミン
シノキサート
ステアリン酸
チオグリコール酸(カルシウム)
チモール
チラム
天然ゴムラテックス
トラガント
トリイソプロパノールアミン
(プロピルアルコール)
乳酸(ナトリウム)
パラオキシ安息香酸(メチル、ブチル)
パラベン
プロピレングリコール
ヘサキクロロフェン
メントール
ラウリル硫酸
ラノリン類
レゾルシン
ロジン
アシルグルタミン酸
アズレン
アラントイン
ウンデシレン酸
塩化ベンゼトニウム
カオリン
グリシルレチネート
グリセリン
クロルヘキシジン(塩酸、グルコン酸)
グンジョウ
酸化チタン
臭化セチルトリメチルアンモニウム
臭化ドミフェン
スクワラン
ステアリルアルコール
セタノール
ソルビット
胎盤抽出液(プラセンタ)
デヒドロ酢酸塩
天然香料
天然色素
動植物抽出物
トコフェロール
トリクロカルバン
パンテノール
パラフェノールスルホン酸亜鉛
ビタミン類
ベンガラ
ベンザルコニウム
ポリオキシエチレンラウリルエーテル
ミリスチン酸イソプロピル
ラウロイルサルコシン
ロウ(ミツロウ、カルナバロウなど)