買いたい気持ちを起こすベネッセの「シナリオ」
- 2014/07/01
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マーケティング関係者が集まれば、最新のマーケティングに関わる話題でひしめき盛り上がるものですが、ベネッセコーポレーションは、顧客とどう接すれば喜ばれるかという「シナリオ」作りへの取り組みが成功へ導いています。
その1:住基法改正でネット重視路線へ
ベネッセコーポレーションの幼児教育教材「こどもちゃれんじ」年少向け「ほっぷ」、年中向け「ステップ」など、子供の成長に合わせてきめ細かくコースが分かれているのが特徴的ですが、このシリーズの最初の教材が、生後6ヶ月からの乳児を対象にした「baby」です。
以前であれば新生児をピックアップしてダイレクトメールを送付し、名前入りのグッズをキャンペーンを行っていました。
しかし、グッズのプレゼントから数ヶ月後に「baby」の講座案内を案内しても反応はイマイチだった。そこで考えたのが、習慣育児情報メルマガ「はぴらべ」です。
その2:「メルマガに満足」が9割を超える
育児に戸惑う第1子の親にとって、今必要な情報が届く心強い存在になる事で、「次」に繋げる考えだ。配信当初はメルマガ末尾に「こどもちゃれんじbaby」の文字だけを載せ、配信を重ねる度に原稿を増やしていき、講座が目に止まる様にしたそうです。
その後、「生後6ヶ月のハーフバースデー」というメッセージのもと、そのタイミングでダイレクトメールの送付というシナリオを描く事で、baby講座との一体感を持つ様にしました。
この作戦は見事にあたり、「はぴらべ」登録者は急増、9割の方から「ありがたい」「満足した」との回答を得るまでになりました。
その3:感謝の念が顧客の心を動かす
もちろん、ベネッセというネームバリューと、「たまひよ」という育児情報の蓄積があったからこその成功とは言えますが、注目したいのはプレゼントとダイレクトメールの空白をメルマガで繋ぐ事で、感謝の念から契約に繋げようとした点です。
通常DM(ダイレクトメール)の反応が悪かった場合、「ならばDMの見直しをしよう」という話が出てきて、新デザインの考案のもと、会議で話しあわれるケースが多いと思いますが、A/Bテスト、つまり2つある方法のうちどちらかを試す勝ち抜き戦にするのが一般的です。
しかし、本筋はお母さん達に何をどう提供すれば喜ばれるか?
どこで、心がぐらっと動くか?という事が大事になります。
はぴらべを手がけた同社の香山さんによれば、
「どんな感情がわき上がる事で人は心が動くのか、他社の事例などを参考にしながらよく考えます。整理すると、ざっと7種類に分けられるんです。
『感謝(ありがとう)』『共感(分かる)』『達成感(できた)』『勝利(やった)』
『興味(それ何?)』『焦燥感(ヤバい)』『喪失感(どうしよう)』の7種類。
はぴらべは『感謝』がキーになりました。」
購買の心理では、『危機感』『希望』『コンプレックスの解消』と言われていますが、通じるものは多いにありますね。消費心理が上向きと言われる今こそ、
マーケティングによる新たな購買意欲の刺激を考えていくと良いでしょう。
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