製造・販売の免許をつかさどる国税からすれば、「酒税」は絶対にとりっぱぐれてはいけない牙城。大手メーカー相手でも容赦はしない。泡立つような「ビール戦争」の伏線は、10年前に張られていた。
牙をむいた「酒税マフィア」
市販されているビールや酒を買い上げて、職場に持ち帰る。社内の宴会用に使うのではなく、彼らの目的は成分の分析である。
ラベルに表示されているアルコール度数や原材料の内容に嘘はないか—。
最先端の分析装置を駆使して、徹底的に洗い出す。スポイトやビーカーが置かれた職場は企業の研究所さながら。税務調査に同行し、製造現場も調査する。日本最強の調査機関・国税に、そんな「酒の番人」がいるのはあまり知られていない。
職名は鑑定官。一度目をつけたら容赦なく追いつめることから、一部の業界関係者の間では「酒税マフィア」とも呼ばれる。
全国に11ある国税局の課税第二部に設けられた鑑定官室には、毎年2~3名の採用枠を潜り抜けてきた技術系の腕自慢たちがズラリと並ぶ。現在、鑑定官室で働く国税職員は全国70名弱の少数精鋭部隊だ。
「大阪や兵庫の酒造会社が純米酒に醸造アルコールなどを混ぜていたことが昨年判明して商品の自主回収に追い込まれたが、発端は大阪国税局の鑑定官による成分調査だった。本庁・国税庁の課税部酒税課の指示を受け、高度な分析を行う場合は広島県にある独立行政法人・酒類総合研究所と連携もする。酒税課に寄せられた内部告発を受けて、鑑定官が酒類総合研究所とともに分析を行い、偽装を暴くケースもある」(国税OB)
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