2014年7月1日00時10分
集団的自衛権の行使をめぐり、「避難する日本人を乗せた米艦防護」の想定例について、朝日新聞は6月16日付の朝刊で、米側が過去の日米交渉で日本人救出を断ったと指摘する記事を掲載した。この報道に対し防衛省は17日の記者会見で「指摘は当たらない」と否定する見解を示した。しかし米側は、現在も米国民救出を優先する観点から日本など他国民の救出を確約しない方針を示している。
朝鮮半島有事(戦争)の際の日米の防衛協力のあり方を示したガイドラインは1997年9月に公表。その中で、民間人などを退避させる「非戦闘員救出作戦」(NEO)は、「両国政府は自国の国民の退避及び現地当局との関係について各々(おのおの)責任を有する」とし、両国が適切と判断する場合には「調整し、また、実施に際して協力する」と書かれた。つまり米国民の退避は米国、日本人の退避は日本政府がそれぞれ責任を持つことを原則とし、双方の協力は努力目標と位置づけられた。
しかし、当時の日本政府関係者によると、ガイドラインの内容を実行する周辺事態法をまとめる日米交渉では、日本側が米国のNEOに日本人救出を盛り込むよう求めたが、米側は「日本人救出を義務化はできない」と受け入れなかった。
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朝日新聞国際報道部
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