休みの日や家でテレビを観る余裕があるときは、きょータソは「TVタッ●ル」的な番組や「報道ステー●ョン」系、「ワールドビジ●スサテ△イト」、あとはN●Kを観ていることが多い。まれに放送大学を観てボーッとしてるときがあるけれど、本人もわからないくせにそこにチャンネルを合わせるのはなぜだろう。「わかって観てる?」「全然!まったくわからないや」。どういうことだ!
政治や何か革新的な発明が生まれたとかっていう番組のときはテレビに向かってしゃべってるきょータソ。
テレビを観ながらブツブツと何か言っているだけならいいのだけれど、時々難しい話を私に振ってくるときがある。ちょっと困る。「わからない」というと「え!わからないの?」と言われる。なんか悔しい。説明してくれるのはありがたいけれど、やっぱりなんか悔しい!
私はきょータソのように勉学に励んだことがない。ニュース番組はいつだって右から左へ受け流す。私達夫婦の偏差値には格差があるのだ。でも負けっぱなしというのも嫌なので、時々意地を張ってきょータソに挑むことがある。
「ねえ、きょータソ。これ知ってる?」
きょータソは知らなかった。私は嬉しかった。きょータソは近頃のカタカナフードに大層弱い。それを知っている私は続けざまに、
「アヒージョ!」
「ボルシチ!」
「バーニャカウダ!」
「ジェノベーゼ!」
ときょータソに攻撃をしかけた。そしたらバーニャカウダとジェノベーゼは知っていた。意外と手強いと思って私は再びきょータソのHPとMPを奪うべく、脳みそをフル回転させながら、
「イベリコ豚!」
「ミノ!」
「ハチノス!」
「ギアラ!」
(あ・・・間違えた・・・。)
(ザッケローニは食べ物じゃなかった・・・。)
(苦し紛れに・・・。)
きょータソと張り合おうとするのは、いい加減諦めたほうがいいのかもしれない。