オールスター戦の選手間投票で出場が決まったソフトバンクの李大浩(左)と長谷川=ヤフオクドームで
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笑みを浮かべて球宴出場の喜びを語る李大浩(イ・デホ)が、表情を変えて異例のお願いをした。「ホームランダービーはしっかり応援する。選ばれないようにしてほしい」。オールスター恒例のホームランダービーに出場する選手を選ぶファン投票は、4日から9日まで公式サイトで行われる。タカの主砲は、ファンに対して「私に投票しないで!」と呼び掛けたのだ。
ホームランダービーを避けたいのには理由がある。「本塁打を狙おうとすると、力が入りすぎてバランスが崩れてしまう」。李大浩は優勝した2012年の第1戦(京セラドーム大阪)、13年の第2戦(神宮)と2年連続でホームランダービーに出場。ただ両年とも球宴後の8月に調子を落とした。月間打率は、7月の3割超え(12年3割3分8厘、13年3割3分3厘)から、8月は2割台(12年2割5分8厘、13年2割3分4厘)に急落した。
李大浩は「本塁打よりチームの勝利に直結する打点」にこだわる。今季は69試合全てに4番として先発し、リーグ7位タイの37打点。同6位タイの11本塁打を思えば、数字が伸びていない。そんな自分への悔しさが「ホームランダービー拒否」に表れた。
球宴自体では強打を存分にアピールする。12年は監督推薦、13年はファン投票で選ばれ、今年は同じプロから高い評価を受けた。「アリガトウゴザイマス」と日本語で感謝し「去年まで、球宴でなぜソフトバンクの選手は元気で明るいのか疑問だった。今回はその一員として出るから、元気よく明るく楽しむよ」と意気込んだ。
ただ宴の中でも、激しいV争いを常に意識し続ける。自分のスタイルを崩すわけにはいかない。 (谷光太郎)
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