さよなら 呉松山フェリー
平成21年5月、呉市阿賀と松山堀江を結ぶ「呉松山フェリー」が廃止の検討に入ったという寂しいニュースを聞いた。その後しばらくして、6月30日までで廃止が決定された。
原因はいわゆる「高速1,000円」だと言う。それ以外にも原因はあったのだろうが、「高速1,000円」が決定的であったことは疑う余地もない。
「高速1,000円」により、どれだけの公共交通が窮地にたたされているのだろうか。鉄道、船舶といった公共交通は、環境問題などの観点からも利用が促進されるべきであるはずなのに・・・・・・・。
JR阿賀駅近くの阿賀港と、JR堀江駅近くの堀江港を結んでいたこの航路は、片道1,600円というリーズナブルな価格で、アウジも仕事にプライベートに何度か利用したことがある。
6月30日の廃止を前に、呉松山フェリーで道後温泉につかりに行くことにした。
撮影:H21.6.27 ページ作成:H21.6.28
阿賀港に停泊中の「カメリアU」
呉松山フェリーは「ニューカメリア」「カメリアU」「3カメリア」の3隻で運行されている。
呉「阿賀港」側の最寄の駅「JR阿賀駅」。改築工事が行われ、近代的な駅へと変貌した。付近には学校が多くあり、通学客で賑わう。写真は阿賀港に近い南口側。
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「JR阿賀駅」から「阿賀港」に向かう道。しばらくは住宅街の中を通る。
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県道に出てしばらく歩くと「フェリーのりば」の案内看板。
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看板の所で左に曲がり、海に向かって進む。以前は駅から港に歩く人の姿が良く見られた。
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海が見えてきた。海上に見える2本の橋脚は、「阿賀マリノ」から「東広島呉道路」を結ぶ「マリノ大橋」の一部。着々と工事は進んでいるようだ。
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阿賀港のフェリーのりばが沖合いに移転したため、案内看板が出されている。平成20年11月までのフェリーのりばは、このすぐ先にある。
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昨年までキップ売り場があった場所は、更地になっていた。
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昨年までフェリーのりばがあった場所。撤去工事は既に完了したのだろうか?中途半端な感じで残されていた。
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忘れ物だろうか、旧フェリーのりばの道路側にはこんな看板が残されていた。
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「後進積」の看板の「後」の文字は可動式になっており、簡単に「前進積」に変えられるようになっていた。
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新しいフェリーのりばは、昨年まであった場所からさらに2km駅から離れた沖合いにある。
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しばらく進むと、広大な埋立地が現れる。「阿賀マリノ」と呼ばれる地区で、新しいフェリーのりばはこの中にある。
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新しいフェリーのりばの案内看板も出されている。まさか数ヶ月しか使用されないとは・・・・。
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新しいフェリーのりばが見えてきた。フェリーはすでに到着しているようだ。
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阿賀港フェリーのりば。新しい桟橋に新しい待合所。整備されたばかりなのにもったいない。
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フェリーターミナルに入って切符を買う事にする。
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廃止前の週末のため、キップ売り場は結構混み合っていた。
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いよいよフェリーに乗船する。往路の船は「3カメリア(さんかめりあ)」
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内部の「ソファー席」の様子。ゆったりとしたソファーでくつろげ、テーブルがある席もある。
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アウジが座ったのは、ゴロ寝ができる「カーペットフロア」。ゴロ寝ができる公共交通って、船ぐらいじゃないだろうか。
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この手前のテーブル席を確保した。荷物をおいて外へ写真を撮りに行った。
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午前11時、阿賀港を出航した。
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阿賀港を出航してしばらくしての風景。右手前が白岳山、左手前は螺山。そして背後にそびえるのは野呂山。視界があまり良くなかったのが残念。
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お腹がすいてきたので、売店で昼食を買う事にした。お昼前ということもあり、売店は結構繁盛していた・
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肉うどん(500円)を購入し、席に戻っていただいた。のんびりうどんを食べられるのも、船旅ならではなんだろうなぁ。
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食後、船内をウロウロしてみた。屋上は潮風が気持ちよく、2つのテーブル席は埋まっていた。
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沖合いに停泊している貨物船の傍を通過。大きな船だが何を運ぶ船だろうか。
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「車両デッキ」に降りてみた。広いデッキだが、積んでいるのは乗用車と軽自動車の5台のみでガラガラの状態。
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「係員以外立入禁止」の看板が着いたドアが開けっ放しになっていた。そのドアの内側にはなんと・・・。
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フツーのお風呂。朝4時から夜11時過ぎまで運行してる航路だから、お風呂は必要なのだろう。
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途中ですれ違った船。乗っている船と同じような形にみえる。カメリア2だったのかもしれない。
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天気はどんよりとしたまま。
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最上階から真下を見た様子。なかなか迫力がある景色だった。
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次にすれ違った船。「石崎汽船」と書いてあり、カラーリングからも、「広島〜呉〜松山」のフェリーだということがわかる。
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「3カメリア」で「Sun Camellia」。
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船体横に掲げられている「呉あが−松山ほりえ」の看板 。 |
往路の上陸券と復路の搭乗券。往復割引で往復3040円也。
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乗船から1時間30分が過ぎたころ、堀江の町が見えてきた。
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堀江港に入港。小さな漁港のような港だ。
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港内には「ニューカメリア」が停泊していた。
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堀江港のフェリー桟橋。形状は阿賀港のものと同じように見える。
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堀江港に到着するところ。速度を落として慎重に接岸される。
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接岸完了。いよいよ四国へ降りる。
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下船する人達と乗船を待つ人達。結構賑やかで、この航路が廃止されるとは考えられないほどだった。
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堀江港に係留された「3カメリア」。
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12時50分に堀江港に到着し、13時には呉へ向かって出航していった。
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堀江港のターミナルと桟橋。
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「堀江港」から「JR堀江駅」への道路。周辺か簡素な住宅街だ。 |
3分ほど歩くと、県道との交差点で、「JR堀江駅」は県道を渡ってすぐ先。港から駅まで徒歩5分くらいだろう。 |
県道を渡ると「JR堀江駅」が見えてきた。
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「JR堀江駅」。なんだか少しキレイになった気がしたので、確認すると、 。 |
昨年撮影していた「JR堀江駅」。どうやら外装がキレイになったようだ。(平成20年撮影)
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せっかく松山に来たのだから、多少は観光して帰る事に。当然目的地は
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道後温泉だ。ゆっくりつかって、すべすべお肌になった。
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再び「堀江港」に戻る。堀江港から道後温泉までは10kmくらい離れている。
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帰路の船が入港してきた。堀江港を15時発の「カメリアU」だ。
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「カメリアU」接岸完了。これから乗船して阿賀港へと向かう。 |
復路も「カーペットフロア」に席を確保。皆さんお休み中で、アウジもこの後寝てしまった。 |
目が覚めると、もう阿賀港は目前。左手に広のクリーンセンターと、中央少し右に王子製紙の煙突が見えている。天気は少し回復したようだ。 |
阿賀港に入港。灰が峰と、阿賀のマンションが見える。
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阿賀港の桟橋に接岸。快適な船旅だった。
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このバスは、「阿賀港」と「JR阿賀駅」を結ぶ無料送迎バス。阿賀港が駅から遠くに移転したことにより始まったサービス。この日は結構混み合っており、数往復しているようだった。 |
今回の旅では、運よく「ニューカメリア」「カメリアU」「3カメリア」を撮影することができました。
堀江港に停泊中の「ニューカメリア」 造船所名 若松造船 竣工年月 1992年7月 総トン数 614トン 全長 47.90m 型幅 12.00m 型深さ 3.68m 機関 ディーゼル×2 機関馬力 2,600PS 航海速力 13.50ノット 旅客定員 320名
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阿賀港に停泊中の「カメリアU」 造船所名 若松造船 竣工年月 1995年7月 総トン数 639トン 全長 47.90m 型幅 12.00m 型深さ 3.68m 機関 ディーゼル×2 機関馬力 2,600PS 航海速力 13.50ノット 旅客定員 320名
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堀江港を出航する「3カメリア」 造船所名 若松造船 竣工年月 1997年7月 総トン数 653トン 全長 47.90m 型幅 12.00m 型深さ 3.68m 機関 ディーゼル×2 機関馬力 2,600PS 航海速力 13.50ノット 旅客定員 320名
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廃止前の運行状況等
時刻表
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運賃
【車両航送運賃】
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【旅客運賃】
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