政府は1日夕方、臨時閣議を開き、集団的自衛権の行使容認を閣議決定しました。
これまでの憲法解釈を変更する安全保障の大きな転換点、関西での反応です。
【市民団体】
「集団的自衛権、絶対反対!」
大阪市中央区の自民党大阪府連前では、市民団体のメンバー約200人が閣議決定に抗議しました。
和歌山県美浜町の小松雅也さん(83)。
終戦の年の5月、特攻隊員だった兄の中西伸一さん(当時22歳)を亡くしました。
小松さんは、集団的自衛権の行使により、再び戦争が起きるのではないかと危惧しています。
【小松雅也さん】
「戦争が起きれば、大きな悲劇が起きる。集団的自衛権を行使することで、自衛隊員が戦地に行くことになる。その家、家族との別れ、婚約者との別れ、これほど不幸なことはない。人生の中で。自衛隊の方にも家族がある。自衛隊の隊員がもし戦死したら、家族の悲しみは大きなもの。僕が経験してきた以上」
集団的自衛権の行使は、湾岸戦争で人的貢献ができず国際社会の一部から批判を浴びた外務省の悲願ともいわれます。
当時、外務省で法案作成に携わった前ドイツ大使の神余隆博・関西学院大学副学長はこう指摘します。
【関西学院大学・神余隆博 副学長】
「今や(国際社会は)多極化してきている、その多極化の状況はアジア太平洋地域で進行している。平和な多極化ならいいが、緊張を伴った多極化なので、そういう状況の中に日本は真っ只中にいる。これやると恐らくとんでもない方向に行くだろうと思う気持ちはよくわかる。でもPKOに行って日本は戦争に巻き込まれましたか?ないですね」
集団的自衛権の行使容認が私たちに何をもたらすのか…。
賛否がわかれています。
【ビジネスマン】
「自分らだけ守ってもらっといて、守られっぱなしってどうかな。どんどんやっていくべきだと思うんですけど。別に戦争をしたいとかいうわけじゃなくて」
【母親】
「自分たちが小さいときは全然戦争になるとか考えたこともなかったんで、自分の子どもとかがそういう不安を感じながら大きくなるのはどうかな、と思うところはある」
【男子大学生】
「いざという時に守ってもらう国があったら。そのためには自分らも何かしないといけないでしょうし」
日本の安全保障政策は、大きな転換点を迎えました。