【W杯】3バック復権の動き、強豪国の躍進支える

産経新聞

 W杯ブラジル大会で「3バック」が脚光を浴びている。かつて日本代表やJリーグのクラブも好んだシステムは近年4バックに押され気味だったが、今大会では伝統国や新興国の躍進を支えている。

 攻撃的なサッカーで知られるオランダは1次リーグのスペイン戦で3バックを採用。ときに中盤の両サイドも下がって5バックで戦い、前回覇者のスペインを5−1で圧倒する要因となった。

 3バックは守備的な布陣といわれ、手薄な両サイドを中盤の両サイドがカバーせざるを得ず5バックになりがち。攻撃的にしようとしても、上下動を繰り返す中盤の両サイドの体力に限界があり、90分間持たせるのは難しい。

 そこで工夫を凝らしたのが“死のD組”を首位通過したコスタリカだ。守備時の5−4−1から、ボールを奪った瞬間にDFラインと中盤の両サイドが1列ずつ上がって3−4−3に移行。上下動の距離を縮め、体力の消耗を抑えている。

 伝統の堅守速攻からのスタイル転換を図っているイタリアも1、2戦の4バックから、第3戦のウルグアイ戦は3バックを採用。退場者を出しくろみ通りにいかなかったが、ほぼ5バックの形で終盤まで持ちこたえた。

 日本代表のザッケローニ監督も3−4−3を模索し続け、Jリーグでは3バックの広島がJ1を連覇。“時代遅れ”と揶揄(やゆ)されたシステムが再び注目を集めている。(奥山次郎)

産経新聞

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